小林陵侑「ジャンプはゲーム」 世界選手権でタイトル“全クリ”だ「事前合宿もできて楽しみ」

[ 2025年3月1日 05:00 ]

緊張する試合を「ゲーム」に例えた小林陵侑
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 ノルディックスキー・ジャンプ男子の22年北京冬季五輪ノーマルヒル金メダルの小林陵侑(28=チームROY)が28日までにスポニチ本紙の取材に応じ、初制覇を狙う世界選手権(ノルウェー)への思いを語った。数秒の飛躍2本で全てが決まるジャンプ競技。緊張が極限に達する時に試合を「ゲーム」に例える思考法を明かした。五輪、W杯個人総合、ジャンプ週間総合を既に制しており、世界選手権のタイトルをつかんで「全クリ」を果たす。3月1日(日本時間2日)に予選を行うノーマルヒルが最初の種目となる。

 リラックスした雰囲気が、好調の証に映る。小林陵は単独で、長野県白馬村で世界選手権の事前合宿を行った。他の代表選手が欧州で調整を行う中、初めてのトライだった。

 「今までの世界選手権では、ちょっと集中力に欠ける感じがして結果を残せていない。新鮮なことをして臨めたらいいと思ったので。気持ち的には一番楽かもしれない。直前に2勝しているし、こうしていい環境で自分がやりたいように事前合宿もできて楽しみ」

 今季序盤は体調不良や腰痛もあって苦戦した。シーズン中の1月にあえて拠点を置く札幌に一時帰国。連日のようにジムに通い、コーチのヤンネ・バータイネン氏から「頑張りすぎだ」と言われた。さらに普段は夏場以外飛ぶことのない、ヒルサイズ59メートルの小さなジャンプ台である荒井山を飛んだ。

 「どんな感じになるか見てみようって。アプローチ組んで、入るタイミングが早かった。そういうの、ちっちゃいジャンプ台になればすぐに分かるんで」

 助走姿勢に加えてマテリアルなどに調整を施して状態は上向いた。そして2月のW杯札幌大会で2連勝。その勢いのまま世界選手権に臨む。舞台はノルウェー・トロンヘイム。当地で行われた昨年3月のW杯ではノーマルヒルで優勝を飾っている。

 「難しいイメージがある。札幌くらい風が不安定で、しかも板に感じる風圧が薄いので印象的にはそんなに良くはない。ほんの少しでも角度をミスったらそのまま落ちていってしまうので。ただ去年とはフィーリングも違うと思うし、楽しみでもある」

 勝利を積み重ねてきた28歳だが、今でも飛躍の前には緊張することも多いそうだ。実際、札幌大会でも緊張で「足汗かいた」と笑顔で明かしていた。そんな小林陵は、大一番に向けて意外な心持ちで挑むという。

 「“ゲーム”ですね。競技的に理不尽すぎるじゃないですか。いいジャンプをしたとしても、風とか、いろんな要素がありすぎて。だから、ゲームだって思うように」

 世界選手権は個人では過去3度出場し、前回23年大会(スロベニア)のラージヒル2位が最高成績。北京冬季五輪金メダル、3度のジャンプ週間総合優勝、2度のW杯総合優勝を果たしてきた28歳にとって、唯一手にしていない主要タイトルだ。

 「(タイトルを)そろえたい…、結構言われるから(笑い)。今年一番のタイトル。ビッグジャンプをしたい」

 ◇小林 陵侑(こばやし・りょうゆう)1996年(平8)11月8日生まれ、岩手県八幡平市出身の28歳。小学3年から本格的にジャンプを始める。盛岡中央高まで複合選手で15年土屋ホーム入社後、ジャンプに専念。3度のジャンプ週間総合優勝(18~19、21~22、23~24年)、2度のW杯総合優勝(18~19、21~22年)、22年北京冬季五輪ノーマルヒルで金メダル、ラージヒル銀メダル。兄・潤志郎、姉・諭果、弟・龍尚もジャンプ選手。1メートル74、59キロ。

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