鈴木愛 6度目完全V 完全復活へ「30歳年間女王」へ第一歩 「若い人にはまだ負けねえぞ」

[ 2024年3月11日 04:45 ]

女子ゴルフツアー 明治安田レディース最終日 ( 2024年3月10日    高知県・土佐CC=6273ヤード、パー72 )

18番、ウイニングパットをバーディーで締めくくった鈴木愛(撮影・井垣 忠夫)
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 単独首位で出た、鈴木愛(29=セールスフォース)が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算16アンダーで圧勝。昨年8月の北海道meijiカップ以来のツアー通算19勝目を飾った。初日から首位を譲らない完全Vは自身6度目で、不動裕理(同8勝)、申ジエ(同7勝)に続くツアー施行後、歴代3位。17、19年に賞金女王に輝いた実力者が低迷期を経て、完全復活への手応えをつかんだ。

 終わってみれば、2位に6打差をつける圧勝劇だった。鈴木は、最終18番で下り4メートルのスライスラインを沈めてバーディー締め。一時は2打差まで追い上げられるも、初日から一度も首位の座を譲らず逃げ切り。完全優勝は6度目だが、4日間大会では初めてだった。

 「なかなかチャンスらしいチャンスが少なかったので、その中では本当によく耐えていたと思います」

 17、19年に賞金女王に輝いた実力者。19年には7勝を挙げてツアーに君臨したが、続く3年間では1勝どまり。上達の道筋が見えず、20歳前後の若手が次々と台頭する中で成績は下がり、モチベーションを維持することも難しくなった。身近な人には「ゴルフをやめる」と伝え、一時は引退を決意。目標を見失いかけていたが、周りからの応援もあり「まだ実力的にも永久シードを目指せる」と再び奮起した。

 再浮上の原動力は、「下手くそは練習するしかない」という覚悟。自他共に認める「練習の鬼」になったという。トレーニングに変化をつけて自らのやる気を呼び起こし、このオフは3時間ほどを費やす体幹トレーニングを週に3度。動きの良くなった体に、元賞金女王の技術がかみ合った。

 今年5月には30歳の節目を迎えるベテランは体力とともに気力も充実。「やるからには1番でありたい。自分もまだまだ伸びしろがある。若い人にはまだ負けねえぞっていう気持ちでやってます」と豪快に笑った。女王返り咲きに向けて、確かな一歩を踏み出した。

 (山手 あかり)

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