いよいよ29日に女子ツアー開幕!! JLPGA小林浩美会長に聞く

[ 2024年2月22日 13:35 ]

笑顔でインタビューに応じるJLPGA小林会長 
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 日本女子ゴルフツアーは1週間後のダイキン・オーキッド・レディース(2月29日初日、琉球GC)で今季の幕を開ける。五輪イヤーの今年は、6月の日本代表決定まで激しい出場権争いが予想される。2年連続年間女王に輝いた山下美夢有(22)や岩井明愛(21)ら成長著しい若手に加え、受けて立つベテラン勢の活躍に注目が集まる。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の小林浩美会長(61)に今季の見どころや新しい施策を聞いた。

 ――開幕戦が近づいてきました。今季の注目選手、見どころを教えてください。
 「全員です。それくらいみんな力がある。初優勝の扉をトントンとノックしている選手がたくさんいます」

 ――前半戦の6月下旬まではパリ五輪の出場権争いもあり、さらに注目が高まりそうです。
 「国を背負って戦う経験は、なかなかできないことです。みんな代表選手になりたいと思っているはず。だからプレー内容がより熾烈(しれつ)になる。上位争いの濃度はさらに濃くなります」

 ――前回の東京五輪は稲見萌寧選手が銀メダルでした。
 「金に手が届きそうな惜しい銀でした」

 ――代表選手に期待することは?
 「ぜひメダルを獲ってもらいたい。メダル必須です(笑い)」

 ――昨季は山下選手が2年連続の年間女王に輝きました。
 「69台の平均ストロークを2年続け出している。各部門の成績は16項目で1位。安定感は本当に抜けている」

 ――その要因は?
 「心技体、これが平均以上。特にスイングの安定度。きれいでスイングアークが大きい。誰でも調子が悪くなることはある。でもそういう時に原因を見つけて、解決が早い。なので落ち幅が少ない。それはトップを長く張る人の特徴。(6年連続賞金女王の)不動裕理さんもそうでした」

 ――山下時代が続きそうですか?
 「可能性は高い」

 ――昨季は岩井姉妹や桜井心那選手、神谷そら選手ら若手の活躍も目立った。
 「共通しているのは飛距離が出て、なおかつみんなガンガン攻めて、自分のスコアに天井をつくらない。一世代前とは違う戦い方になってきています」

 ――意識が変わってきた?
 「ひるまずスコアを伸ばし切る力がここ5年で急速に伸びている。考え方が変化し、みんな凄い。最終日に60台を出すのは当たり前になった」

 ――コースセッティングの変化も影響していますか?
 「それは大きいです。海外は男子も女子も20アンダーを出す試合が普通にあります。少し前までの日本ツアーは、そういう部分が足りなかった。私たちは意図的に優勝スコアの幅を広げ、世界で勝つために、攻めないと上位に行けない試合をつくってきました。予選のカットラインをアンダーパーに設定し、毎日60台で回ってきなさいよ、と。天井を作らずスコアを伸ばすためには、まずは考え方(精神力)から変えていく必要がある。力(テクニカルな部分)とは別の要素。そして世界で戦うための必須要素です」

 ――昨季、シード権を獲得した選手の平均年齢は26.1歳。世代交代が進んでいるように見えます。
 「13年から4日間の試合を増やし、それが昨年、全体の半分になった。3日間と4日間では体力の消耗が違う。若い選手は4日間が当たり前という感覚で勢いもある。4日間の試合は心技体のレベルが上がります」

 ――その変化に対応できない選手が、取って代わられている?
 「穴井詩さんにしても上田桃子さんにしても結果を出しているベテランは、平均ストロークなどの部門別成績を伸ばしています。凄い努力をして、今の競争でも負けない。選手層が厚くなり、少しでも調子を落とすとランキングが急激に下がるようになりましたが、シード選手の平均年齢が26.1歳なのは、30代も頑張っているから。相対的にみんなの力は伸びています」

 ――今季は米ツアーに9人の日本選手が挑戦します。
 「今の日本選手はTOTOジャパンクラシックで勝って、米ツアーの出場権を得ようというように意識が変わってきています。9人の選手は全員ポテンシャルが高い。凄く期待しています。ただ、米国は国土が広くて時差があり、ほとんどの試合が4日間。休養の取り方がとても重要です。日本と同じ感覚で試合に出続けていると、シーズンの後半に息切れする。私はそれで痛い目に遭いました」

 ――ツアーの放映権を協会が一括取得したことで、今季もネットによるライブ中継が実現します。
 「DAZNとU-NEXTで配信されます。全37大会中の35大会を一括で見ることができます。そして、テレビも例年通り全試合が放送される予定です。それは今までと変わらない。ただ、テレビ放送は大会ごとに放送時間とテレビ局が異なります。なので、ファンの皆様が見逃されることがないように、協会の公式サイトにテレビとネットの放送日程をすべて掲載しています。ぜひチェックして中継をご覧になっていただきたい」

 ――日本ツアーは海外でも放映されています。
 「昨年は中国、韓国、タイ、マレーシア、インドネシア、台湾に配信映像を届けました。協会が放映権を一括で取得できたことで、大会別ではなくツアー全体、丸ごと国内と海外に訴求できるようになりました」

 ――協会に入る放映権料の使い道は?
 「まず、各大会の主催様に分配しています。また、試合会場での宅配便サービスや託児所サポート、選手の補食サービス、システム構築など選手のために還元し、ツアーに投資もしています」

 ――トーナメントの質の向上に役立てている?
 「今年もそれらに加え、いろいろ還元投資をする中で、協会としてアグロノミスト(農学博士)とアドバイザー契約を結びました。ツアー強化の観点から試合会場のコースの状態を一定のレベル、あるいはそれ以上に上げていくことが目的です。そうした費用にも放映権収入を充てます」

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