陸上・黒田六花が追いかける「2つの背中」 憧れの兄、先輩・ドルーリーへ「“憧れ”と思っていたら…」

[ 2024年1月24日 06:30 ]

都道府県対抗女子駅伝で3区を走った岡山の黒田六花
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 【オリンピアンロードの歩き方】五輪を目指すアスリートや関係者を取り上げるコラムの今回は、陸上女子の黒田六花(15=岡山・京山中)。昨年8月の全国中学体育大会で1500メートルを、同10月のU16陸上大会で1000メートルを制した逸材は、兄や同郷の先輩を追って高みを目指している。

 1月14日の都道府県対抗女子駅伝で3区を走った岡山の黒田は、レース後に浮かない表情をしていた。1学年上のドルーリー朱瑛里(津山高)から19位でたすきを受け、3キロの区間を飛ばしていく。だが、序盤から突っ込みすぎたこともあって後半に失速。1人をかわして18位に順位を上げながら、タイムは9分57秒で区間22位にとどまった。

 「納得のいく結果にはならなくて後悔があります。最初は良いリズムでいけたけど、速すぎて、まだまだ弱いなと思いました」

 チームが14位に終わり、目標の入賞に届かなかったことにも責任を感じた。ただ、昨年8月の全国中学体育大会で1500メートルを制すなど、飛躍を示した23年度。兄、そして先輩の背中を追いかけてきた。

 4人きょうだいの長女で、青学大2年の長男・朝日は、今年の箱根駅伝2区で区間賞を獲得して総合優勝に貢献した。次男・然(ぜん、玉野光南3年)も今春から青学大に進学予定。箱根駅伝を現地観戦した六花は、活躍する朝日の姿に大きな刺激を受けた。

 「兄の走りを見て、かっこいいなと思ったし、でも、ある意味ライバルというか、超えたいなというのは常に思っているので」

 陸上一家に生まれ育ちながら、小学6年までは9年間、ヒップホップダンスを習っていた。「ダンスはやり切った感じで…」と中学から競技を始め、より本気で打ち込むため、中学2年に上がるタイミングで強豪の京山中に転校。メキメキと頭角を現し、22年度は鶴山中3年だったドルーリーと競い、今年度は全中女王となった。

 競技歴が浅いこともあり、伸びしろはたっぷりだ。高校生となる4月以降も陸上を続ける予定で、再びドルーリーと同じ舞台に立つ。「“憧れ”と思っていたら勝てないと思うので。追いつこうという気持ちが大事になる」。あの大谷翔平の名言に似た言葉をスラスラ語る15歳には、飛躍の予感が漂う。(五輪担当・西海康平)

 ◇黒田 六花(くろだ・りっか)2008年(平20)9月1日生まれ、岡山市出身の15歳。4人きょうだいの長女で妹がおり、中学から陸上を始める。「六花」は雪の結晶を意味し、一つも同じ形がなく唯一無二の存在ということから名付けられた。趣味はK―POPを聴くこと。1メートル51。

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