甲子園ボウルへの道 「負ける怖さを知った」関学大が教訓を胸に「次は倍返し」

[ 2023年11月29日 06:30 ]

全日本大学アメフト選手権準決勝   関学大ー九州大 ( 2023年12月3日    春日公園球技場 )

第78回甲子園ボウル
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 リーグ戦のラストに、思わぬドラマが待っていた。全勝の関学大が関大に敗れ、立命大を含めた3校が6勝1敗で並んだ。96、10年に続く史上3度目の3校優勝。ただ、決定的に違う点が一つある。プレーオフで勝敗を決した過去2度と違い、今回は抽選で「勝者」を決める。あまりに非情な決着。笑ったのは、つい数分前まで敗北に打ちのめされていた関学大だった。

 「負けて、もう終わりだと思った。泣いたのは、ホッとした涙です」

 一息ついても、LB海崎琢主将(4年)の瞳は、まだ光っていた。とはいえ、チームを救った強運は、4年ぶりに学生相手の公式戦で敗れた悔しさまで消してはくれない。関大QB須田啓太(3年)を中心とした徹底的なパス攻撃に、後半のディフェンスは防戦一方。「パスユニットは正直、かなわなかった」。相手の力量を認め、脱帽する潔さがあった。

 抽選の結果に、大村和輝監督は少し冗談めかして、「引き、強っと思いました」と明かした。和んだのは一瞬だけで、敗因を振り返る表情から険しさは去らない。「ディフェンスはポカがあったけど、デキは悪くなかった。それよりオフェンスは、関大さんが思い切ってランを止めにきていて、そこをアジャストできなかった」

 劣勢を強いられた後半、指揮官には既視感があった。直近の出場10大会で唯一敗れた17年甲子園ボウルの日大戦(17―23)。「あの時の日大さんも、9人でランを止めにこられて、同じような展開になってしまった」。力量差がある相手に負けるのは受け入れても、想定できたことに対応できなかったことが腹立たしい。

 海崎は関学大の強さをこう表現する。「僕たちは試合で“まさか”と思ったことがない」。コーチ、選手、スタッフが徹底的に一つのプレーを分析し、すべての可能性をつぶしていく。大村監督も09年にコーチに就任した時、「ここまで細かくやるのか」と実感したという。「アメフトは準備のスポーツ」を地でいく伝統。往年の京大や立命大に戦力で負けていても、組織として上回り、何度も接戦を勝ち抜いてきた歴史がある。

 「だいぶ、まずいゲームをしてしまった。選手は負ける怖さを知ったし、すごく勉強になった。次は倍返ししたい」

 将はもう、視線を次に向けていた。前人未到の甲子園ボウル6連覇まで、あと2勝。手にした教訓は、間違いなく青き王者を強くする。  (堀田 和昭)

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