新添左季が新女王に 初五輪へ大前進 柔道世界選手権

[ 2023年5月12日 00:32 ]

柔道世界選手権第5日 ( 2023年5月11日    カタール・ドーハ )

女子70キロ級を制した新添左季=ドーハ(共同)
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 女子70キロ級で昨年3位の新添左季(自衛隊)が、決勝でスコッチマロ(ドイツ)を得意の内股で技ありを奪った後、そのまま押さえ込んで合わせ技一本で破り、初優勝を飾った。同階級の日本勢の優勝は、18年の新井千鶴以来、5年ぶり。期待の大器がついに開花し、来年に迫ったパリ五輪代表入りに大きく前進した。

 2回戦から登場した新添は準々決勝で19年女王のゲイエ(フランス)に対し、延長戦の末に指導3による反則勝ちで撃破。続く準決勝では2連覇中だったマティッチ(クロアチア)と対戦。4月のグランドスラム・アンタルヤ大会決勝でも破っている相手に終盤、小外刈りで技ありを奪い優勢勝ち。強豪を連破した実力と勢いで一気に頂点に上り詰めた。

 奈良県出身の新添は天理高時代までは無名の存在。山梨学院大で頭角を現し17年の講道館杯で優勝すると、長い手足から放つ立ち技を武器に、国際大会へと活躍の場を広げた。近年は課題だった組み手も上達し、この日は苦手とする相四つのマティッチを返り討ちに。試合内容も進境著しかった。

 70キロ級は東京五輪金メダルの新井千鶴、21年世界選手権銀メダルの大野陽子が相次いで引退。手薄となった選手層の強化のため、昨年10月の世界選手権では国際実績が十分とは言えなかった新添と田中志歩(JR東日本)の2人が派遣され、一部からは批判的な声も上がった。逆風の中で昨年は銅メダルを獲得し、今年はついに頂点へ。性格は控え目で大人しい新女王が誕生した。

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