大坂 新しい選手像を築くのも彼女らしくていい 進むべき道を定めて再出発を

[ 2022年9月1日 04:00 ]

全米オープン第2日 ( 2022年8月30日    ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター )

ポイントを奪われ、天を仰ぐ大坂
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 【記者の目】悲しければコート上や会見で涙を見せ、イライラすればラケットを投げつける。好調時の大坂は感情をストレートに表現していたが、今はすっかり大人になった印象だ。この日も第1セットを失った直後、ラケットを投げつけようとして耐えた。本人は会見で「以前と何が違うか理解できていない」と語ったが、違いは明らかだ。

 18年全米後にうつ状態に陥ったこともあり、今はテニスを楽しむことが目標。コート外でもアスリート支援を目的としたマネジメント会社や、メディア設立など積極的に活動する。5月に米経済誌フォーブスが公開したアスリート長者番付は女子最高の5920万ドル(約82億円)。勝利への執着心が薄れるのも無理はない。アスリートの枠を超えた活動も大坂を彩る魅力の一つ。既に4大大会で4勝して競技者として成功を収めており、テニスを含めた人生をエンジョイする新しい選手像を築くのも彼女らしくていい。敗戦直後もコートでファンサービスに応じるなど心に余裕はあるだけに、冷静に進むべき道を定めて再出発してもらいたい。(テニス担当・木本 新也)

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