18歳ルーキー西郷真央“日本人初”デビュー戦優勝へ「自分らしいプレーを」

[ 2020年6月28日 05:30 ]

女子ゴルフツアー アース・モンダミン・カップ第3日 ( 2020年6月27日    千葉県 カメリアヒルズCC=6622ヤード、パー72 )

2番、ティーショットを放つ西郷真央(Getty Images/JLPGA提供)
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 首位に6打差の15位から出た2001年度生まれの新人・西郷真央(18=大東建託)が67で回り、2000年度生まれの“ミレニアム世代”古江彩佳(20=フリー)と並ぶ、首位に3打差の通算8アンダー、2位に浮上。国内女子ツアー日本人初のプロデビュー戦Vに挑む。1998年度生まれの“黄金世代”田中瑞希(21=フリー)が通算11アンダーで首位。賞金女王・鈴木愛(26=セールスフォース)が首位に4打差の通算7アンダー、4位から逆転Vを狙っている。

 静かだなと思った。昨夏まで主戦場としていたアマチュア競技によく似た無観客でのプロデビュー戦。師匠の尾崎将が「せごどん」と呼ぶ西郷は本家さながらにどっしりと構え、自分のプレーだけに集中していた。

 「正直、こんな上位に来るとは思ってなかったので自分でも凄く驚いてるんですけど、変に緊張することもなくプレーできました」

 1番で2メートル、2番では5メートルのバーディーパットを沈め、幸先のいいスタートを切った。その後、長く耐える時間帯が続いたが、最も難易度の高い9番でグリーン右バンカーからの第2打を80センチに寄せてパーをセーブするなど集中力を切らすことなく上がりの3連続バーディーにつなげた。

 「成長する時間を与えてもらったと思っています」

 コロナ禍による自粛生活中は師匠の元を訪ねることもできず、ひとり自主練習に励んだ。例年以上に時間を割いた体力強化ではドライバーで10ヤード、アイアンでも1番手分の飛距離増という想定以上の成果を得た。そのため久々の実戦だった予選2日間は縦の距離感に苦しんだが、アドレスを修正し、自力でアジャスト。最終18番では89ヤードの第3打をPSで1・5メートルに寄せるなど、昨年6月の日本女子アマチュア選手権で“ミレニアム世代”古江、安田らを退けた、世代屈指のショット力が戻った。

 「優勝したい気持ちはありますけど、それよりも自分らしいプレーをしてそれで結果がついてくれば」

 初体験だったリモート共同記者会見中も静かにどっしり。日本人初の快挙達成へ無欲を貫く構えでいる。 

 <今季の目標>
 まだ、新型コロナウイルスによる被害が拡大する前の今年1月24日。西郷は師匠、尾崎将の誕生会で、同門の先輩プロ・原英莉花らと今季の目標を発表した。それはシード権獲得と最終戦LPGAツアー選手権出場。コロナ禍により2020、2021年のシーズンが統合されるなど不確定要素は多いが、西郷が今大会で優勝すれば、二つの目標を一挙にクリアすることになる。

 <西郷データ>
 西郷が今大会で優勝を果たせば、国内女子ツアーでは日本人初のプロデビュー戦Vとなる。2016年リオ五輪日本代表の野村敏京が2011年5月の中京テレビ・ブリヂストン・レディースで日本ツアー初出場初優勝を飾っているが、野村は前年の米ツアー予選会で出場資格を獲得し、日本初戦を前に米ツアーで2試合などに出場。プロデビュー戦ではなかった。

 ◆西郷 真央(さいごう・まお)2001年(平13)10月8日生まれ、千葉県出身の18歳。名前は「真っすぐな人になってほしい」との願いから。5歳でゴルフを始める。千葉・麗沢高3年だった2019年に日本女子アマチュア選手権優勝。同年のプロテストで一発合格し、女子高生プロに。師匠は尾崎将司。尊敬する選手は不動裕理。目標は申ジエ。得意クラブはアイアン。ツアー予選会10位。1メートル58、57キロ。血液型AB。日本ウェルネススポーツ大1年。

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