ボルト 現役ラストランへ会見で宣言「無敵のまま終わりたい」

[ 2017年8月3日 05:30 ]

陸上世界選手権 ( 2017年8月4日    英国・ロンドン )

会見で質問に答えるウサイン・ボルト
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 陸上の世界選手権が4日(日本時間5日午前2時)にロンドンで開幕する。短距離界のスーパースター、ウサイン・ボルト(30=ジャマイカ)は現役最後の大会になる。単独で歴代最多となる4度目の優勝が懸かる男子100メートルに向け1日、会場近くで会見を行い、無敵のまま現役を全うすることを誓った。

 物事は結末が最も大事だ。現役ラストランを迎えるボルトも同じ考え。1日のロンドンでの会見。最強へのこだわりを口にした。

 「無敵のまま、誰も止めることができない存在のまま終わりたい。おい、メディアたち、書いておけよ。“誰も勝てない、誰も止められない、ボルト”。新聞の1面の見出しはこれで決まりだな」

 冗談を振りまきながら、機嫌良く約1時間しゃべった。今大会は5連覇の懸かる400メートルリレーも出場するが、個人種目は100メートルのみ。それを制すればC・ルイス、M・グリーンを抜いて単独歴代最多4度目の優勝になる。今季の最高タイムは9秒95と物足りないが、「間違いなく、今も俺が一番速い」と言い切った。

 個人記録もさることながら、今年は亡き友のためにも走る。4月、08年北京五輪男子走り高跳び銀メダルのジャーメイン・メイソン氏がバイク事故で他界した(享年34)。故人は06年に英国籍を取得したものの、ジャマイカ出身。事故は2人の母国で起き、ボルトと同じパーティーに参加していたという報道もあった。盟友の訃報は心に大きな穴を開けた。

 「あれだけ親しい存在が亡くなったのは初めてのこと。なかなか練習をする気分になれなかった。ジャーメインのために、その家族のためにも走りたい」

 練習を離れたことが影響し、ここまで精彩を欠いたが、周囲から「ジャーメインは僕のレースを楽しみにしているはずだ」と諭され、ついにエンジンがかかった。

 26日で31歳になる。限界説や調整不足がささやかれるものの、ジャマイカの英雄は陽気に雑音を振り払う。「100%準備はできている」。会見の締めくくりに、金色と、高校のスクールカラー紫色で構成された勝負靴を、両親から手渡された。4日が予選、5日が準決勝、決勝。スーパースターにはハッピーエンドがふさわしい。

 ≪今季最高9秒95は7位≫今季の男子100メートルは、コールマン(米国)が出した9秒82が最高。ブレーク(ジャマイカ)の9秒90と続く。ボルトの9秒95はガトリン(米国)ら3人が並ぶ7位となっている。

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