杉田 4大大会1勝に「意外と冷静」、フェデラーからV祝福も

[ 2017年7月6日 05:30 ]

テニス ウィンブルドン選手権第2日 男子シングルス1回戦   杉田3―0クライン ( 2017年7月4日    英ロンドン・オールイングランド・クラブ )

ウィンブルドン男子シングルスで1回戦突破した杉田(AP)
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 男子シングルス1回戦で、世界ランキング44位の杉田祐一(28=三菱電機)が同232位のブライダン・クライン(27=英国)に7―6、6―3、6―0でストレート勝ちを収めた。前週の大会で日本男子3人目のツアー優勝を達成した勢いに乗り、5度目の出場となる4大大会で初勝利も手にした。6日の2回戦では、5日前の決勝で対戦したばかりの世界51位のアドリアン・マナリノ(29=フランス)と激突する。

 杉田が記者会見を待って座っていると一人の男が歩み寄ってきた。ちょうど取材を終えたフェデラー(スイス)だった。「先週はおめでとう」と声を掛けられて握手を交わし、杉田は「うれしいですね」と頬を緩めた。

 こんなやりとりをはじめ、この数カ月で多くが様変わりした。ラッキールーザーから8強入りしたバルセロナ・オープンを皮切りに、アンタルヤ・オープンでツアー初優勝を飾り、ランキングは日本男子歴代2位まで浮上。ランキングに余裕があるからこそ、出場大会を絞り、きっちりトレーニング期間も設けることができる好循環。そしてついに予選出場からも含めれば29度目の挑戦で4大大会初白星をつかみ取った。

 芝がしっかりと生えそろうウィンブルドンのコートは、前週よりずっと球足が遅かった。序盤はリターンのタイミングが合わずに苦しんだが、第1セットをタイブレークで死守した。気温40度超えのトルコから移動して中2日での試合。肉体的な限界が近づく中で「第1セットを取ってかなり余裕が出た」と息をつけた。結局サービスゲームを一度も落とさない完勝だった。

 今大会は家を借りて宿舎にしており、母・品子さん(66)の手料理に舌鼓を打っている。「欧州遠征が長いのであっさりとした日本食、そばやうどんを食べられて助かっている」と久々の観戦でバックアップしてくれる母にも最高の白星を贈ることができた。

 「意外と冷静。うれしいが、まだここでは終わらない自信がある」とみなぎる自信は本物だ。「自分のホーム」と言い切る芝コートで、杉田はさらなる躍進を見据えていた。

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2017年7月6日のニュース