【玉ノ井親方の視点】“本来の稀勢の里の相撲”取り戻すきっかけに

[ 2017年5月17日 07:40 ]

大相撲夏場所3日目 ( 2017年5月16日    両国国技館 )

千代の国(左)の攻めに右足1本で耐える稀勢の里
Photo By スポニチ

 稀勢の里はうまく左が使えず苦戦した。立ち合いは左脇を締めて、差されないように当たっていったが、千代の国に横綱側から見て万全ではない左腕側に回り込まれ、その動きに対応しているうちに左脇が空いてしまった。本来なら左でおっつけたり、かいなをねじ込んでいきたいところだが、今の状態ではそういう攻めができない。そこから中に入り込まれ土俵際まで押し込まれてしまった。

 ただ、そういう苦しい中で右足一本で残って攻め返し、勝ちきることができたのはいい傾向だ。これから中盤、後半戦に向けて本来の相撲の流れが出てくるきっかけになっていくのではないか。とにかく今は我慢をしながら取り続けることが大事だ。

 大関獲りを狙う高安は立ち合いの当たりが凄かった。馬力のある琴奨菊が一瞬クラッとした感じになった。それだけ圧力と重みが出てきているということだろう。自分のやるべきことに集中し、一日一番必死に取れば、自然と結果は付いてくる。(元大関・栃東)

続きを表示

2017年5月17日のニュース