燃える新横綱・稀勢「自分自身に負けない」ケガも気にせず山稽古

[ 2017年3月8日 05:30 ]

大相撲春場所 ( 2017年3月12日    エディオンアリーナ大阪 )

稽古場から出て境内で山稽古を行った稀勢の里(右)
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 春場所(12日初日、エディオンアリーナ大阪)に向けて、新横綱の稀勢の里(30=田子ノ浦部屋)が異例の山稽古を行った。7日は大阪市港区の田子ノ浦部屋で関脇・高安と23番連続取った後、稽古場から出て、寺の境内で20分ほど立ち合いの確認を行った。この日の大阪市内の最高気温は10度に達しなかったが、寒さに負けずに鍛錬を積んだ。

 高安との稽古とぶつかり稽古を終えると、新横綱が突然、稽古場の外に出てきた。話を聞こうと集まった報道陣に「まだ稽古中だよ」と告げると、築港高野山釈迦院の境内の石畳の上で仕切りを確認した。その後、付け人を立たせて立ち合いの当たりもチェックした。

 「立ち合いは大事。しっかりはまれば相撲になってくる」。稽古場は風よけの幕を締め切っていたため寒くはないが、関取衆の稽古が終わった後に新弟子らの稽古もあったため、あえて気温10度に満たない屋外で山稽古を敢行した。寒くないかと聞かれると「(取材で)話が長くなると寒い」と冗談を言う余裕まであった。

 前日は出稽古に来た平幕・嘉風の頭が顔に当たって左目上を裂傷し、病院で約10針縫った。「ケガのうちに入らない」と言っていたように、この日は患部にテープを貼って高安と連続で23番取った。相手の当たりを確かめるところがあったためいきなり3連敗したが、体が温まってくると右上手を引きつけての力強い寄りなどで圧倒。18番以降は6連勝と圧倒し、14勝9敗で終えた。

 息が上がる場面はほとんど見られず「いいんじゃないですか」と納得の様子だ。縫った部分については「大丈夫」と話した。この日も出稽古に来た嘉風とは一番も取らなかった理由については「高安が調子が良かったから。嘉風は体が痛そうだったし」と説明した。

 夕方からは大阪市内のホテルで開かれた「春場所前夜祭」に出席。他の3横綱、2大関がそろった中で抱負を聞かれると「自分自身に負けないことが一番だと思う」と言い切った。連覇に向けて、他の力士もケガも気にすることなく、自らの相撲道を貫いていく。

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