4位沙羅 地元札幌で2戦連続V逸 感覚戻らず今季初の表彰台外

[ 2017年1月16日 05:30 ]

W杯ジャンプ女子第8戦札幌大会 ( 2017年1月15日    北海道札幌市・宮の森ジャンプ競技場=HS100メートル、K点90メートル )

<ジャンプ女子W杯札幌大会>4位に終わり厳しいj表情で引き揚げる高梨沙羅
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 W杯総合首位で通算50勝目を目指した高梨沙羅(20=クラレ)は93メートル、89メートルの合計217・4点で4位に終わり、今季初めて表彰台を逃した。20、21日のW杯2連戦(山形・蔵王)で節目の大台を目指す。前日の第7戦でW杯初優勝した伊藤有希(22=土屋ホーム)は97メートル、96・5メートルの236・3点で2位に入った。1回目に97メートル、2回目に最長不倒の100メートルを飛んだマーレン・ルンビー(ノルウェー)が248・5点で今季、通算とも2勝目を挙げた。

 悔しさをにじませた。今季も圧倒的な強さで“絶対女王”に君臨する高梨だが、本来の姿とはほど遠かった。昨年2月以来11戦ぶり、今季初めて表彰台を逃した。地元で節目の50勝を飾れず、札幌2連戦で2、4位という結果に「これが今の私の実力です。いいジャンプをお見せできずに残念です。焦りもあったと思う。早く自分の感覚を取り戻したい」と力なく答えた。

 有利な向かい風が吹き、条件もまずまずだった1回目は思うように飛距離を伸ばせず、93メートルでまさかの4位。直前に雪が小降りになり、視界が晴れてきた2回目に逆転を期したが、K点(90メートル)の1メートル手前に落ち、順位を上げられなかった。

 微妙な感覚のズレが歯車を狂わせた。W杯4戦3勝で迎えた7、8日の2日間に、今季女子初開催のラージヒルでのW杯(ドイツ・オーベルストドルフ)に出場。2戦とも優勝し、10日に帰国したが、再び通常のノーマルヒルの台に替わり、感覚を取り戻すことができなかった。「アプローチで自分のポジションに落とせない。後ろから追っかけている感じ」。助走で重心が後ろにいきすぎ、2回目のジャンプは13番ゲートを使用した27選手の中で助走速度が最下位の81・3キロ。優勝したルンビーに比べ約1キロ遅かった。

 だが、2戦連続で優勝を逃しただけで驚かれるのも、強さの証。次戦は20、21日に山形・蔵王で行われるW杯第9、第10戦。「シーズンを通じて波はある。これが(2月の)世界選手権じゃなくて良かった。しっかりと立て直したい」。節目の50勝へ。絶対女王が蔵王で“指定席”に返り咲く。

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2017年1月16日のニュース