白鵬 豪栄一蹴!1敗対決制し単独トップ「気持ちいい」

[ 2016年3月25日 05:30 ]

豪栄道(左)を押し出し、1敗を守った白鵬

大相撲春場所12日目

(3月24日 エディオンアリーナ大阪)
 横綱・白鵬は厳しい立ち合いから大関・豪栄道を圧倒し、1敗対決を制した。大関・稀勢の里は横綱・日馬富士のはたき込みに屈し2敗目。4場所ぶり36度目の優勝を狙う白鵬が単独トップに浮上し、2敗の稀勢の里、豪栄道、平幕・妙義龍の3人が1差で追う展開となった。

 また必殺のコンビネーションが飛びだした。白鵬は立ち合いで左で張って、曲げた右肘で豪栄道の胸から顎をかち上げた。上体がのけぞり、ひるんだ豪栄道の引きに乗じて一気に前に出た。

 「(立ち合いは)良かったし、前に出ていた。元気のいい大関を一気に持っていけて気持ちいいね」。豪栄道コールで乗る好調のご当地大関を2秒で土俵外へ押しやる圧勝劇だった。左で張って、右でかち上げるボクシングのワンツーのような連打が効いている。今場所は琴勇輝、高安、嘉風、栃煌山、そして前日の稀勢の里と日本人の実力者相手に使用し、白星につなげた。

 これまでも大事な一番で使用し、過去には妙義龍を失神させたこともある。横綱にふさわしくない、と批判も浴びた。それ故、最近は相手より遅く立ちながら自らの形をつくって先手を取る「後の先」の立ち合いにこだわり、途中休場した昨年秋場所以降はこの荒技を封印していた。だが、今場所は解禁し、これまで以上の頻度で使用する。それも4場所ぶりの優勝に懸ける思いの強さを物語っている。

 過去2場所は終盤失速して優勝を逃した。「(過去2場所は)上がったり下がったりがあった。今場所は場所前から考えて(稽古を)やってきて、ここにきて良くなっている」。初日こそ宝富士に敗れたものの、尻上がりに調子を上げている。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「白鵬は初日負けてから辛抱してきた。(星を)落としても優勝決定戦。だいぶ有利になってきた」と語った。白鵬は既に1差の大関2人とは対戦を終えており、逃げ切り準備は十分に整っている。

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