【岡崎真の目】真央、新しいジャンプの組み合わせで演技にハリを

[ 2015年12月27日 08:25 ]

表現力でジャンプの失敗をカバーする浅田真央だったが…

フィギュアスケート全日本選手権第2日・女子SP

(12月26日 北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)
 浅田のSP、ジャンプの失敗より気になったのが演技点だ。国内と国際大会の違いがあり単純比較はできないが、GPファイナルのSPは35・12で出場6選手中トップだった。ところが今回は33・35。SP首位の宮原に4項目で劣り、合計も下回った。演技点は基本的な評価で大きな変動は考えにくい。つまり、これは演技そのものに精彩を欠いたという意味だろう。

 あくまで想像だが、ジャンプの難度を落としたことでモチベーションが低下している可能性はないか。提言したいのは、新しいジャンプの組み合わせだ。3―3回転をともにループとし、基礎点が1・1倍となる後半にフリップ。これならすべて浅田の得意とするもので、基礎点も高く高得点が狙える。例えば歴代最高得点という目標を据えることで、演技全体にハリが出るのではないか。

 一方、安定したジャンプによる技術点だけでなく、演技点でも浅田を超えた宮原の成長は著しい。フリップの踏み切りに軽微な違反があり、GOE(出来栄え評価)による減点があったはずだが、最終的にはプラス評価されるレベルにまとめている。他の要素のレベルの取りこぼしもなく、手堅さが光る。大会連覇も見えてきたのではないか。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2015年12月27日のニュース