【有森裕子の目】日本勢、リオでは相当苦しい…勝つために練習方法改善を

[ 2015年8月31日 09:32 ]

天安門に掛けられた毛沢東の肖像画前を力走する伊藤舞(中央)
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世界陸上最終日・女子マラソン

(8月30日 中国・北京)
 日本勢にとっては厳しい結果となった。もちろん、7位に入った伊藤さんは選考基準をクリアしてリオ五輪代表に内定したのだから、ぜひ本番でも頑張ってほしいと思う。ただ、リオでメダルを狙うとなると伊藤さんも含めて、今回の日本勢の走りでは相当苦しいと言わざるを得ない。

 33キロすぎにケニア、エチオピア勢がスピードを上げた時についていけないのは今に始まったことではない。スタートから日本勢がレースを引っ張ったことは積極性という意味では評価する声もあるかもしれない。しかし、後半勝負を考えればたとえ自分のペースに合わなくても後ろでじっと我慢して力をためておくことも必要だろう。あるいはスパートされたらついていけないと思うなら、30キロより前で逆にこっちから仕掛ける手もあっただろう。最初から入賞を目指すなら今回のような走りでもいいが勝ちたいと思うなら根本的に練習から変えていかないと難しいのではないか。

 これから国内の選考レースも始まる。他の選手たちがどんな走りをするのかにも注目したい。(92年バルセロナ五輪銀、96年アトランタ五輪銅メダリスト)

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