錦織8強追い風 過去“全勝”の74位ガバシビリと31日対戦

[ 2015年5月30日 05:30 ]

記者会見で抱負を語る錦織

テニス全仏オープン第6日

(5月22日 パリ・ローランギャロス)
 男子シングルスで第5シードの錦織圭(25=日清食品)が31日に予定される4回戦で対戦する相手は、世界74位のテイムラズ・ガバシビリ(30=ロシア)に決まった。3回戦の相手だったベンヤミン・ベッカー(33=ドイツ)の負傷棄権により、この日の試合がなくなった錦織は約1時間半の練習。日本男子82年ぶりの全仏8強入りに向けて“中3日”の休養も前向きに捉えた。

 本当なら歓声を浴びて試合をしているはずの時間に、観客のいないコートで錦織は黙々と練習に励んでいた。ベッカーの棄権によって、中1日が通常の4大大会で、中3日の“長期休暇”が転がり込んできた。

 練習後に会見に臨んだ錦織は「全く予想していなかったのでビックリした」と知らせを受けた時の心境を語った。試合がなくなったことでフィジカル面ではプラスに働くが、錦織が気にするのはメンタル面だ。「相手にリタイアされるのは初めて。気持ちが抜けるのが怖い。少し心配はある」と語った。

 試合を重ねて調子を上げていくタイプの選手もいるが、その点は不安はない。「試合勘はすぐには抜けない。気が抜けないようにすれば大丈夫」。この日は世界152位のガスタン・エリアス(24=ポルトガル)と実戦形式の練習を行い、真剣な表情で球を追った。

 4回戦の相手は、世界74位のテイムラズ・ガバシビリに決まった。ガバシビリは初戦から格上を破って5年ぶりに4回戦まで勝ち上がってきた。錦織のツアー本戦での対戦成績は3勝1敗だが、唯一の黒星は昨年のデルレービーチ・オープンでの途中棄権。直近の対戦となった先月のバルセロナ・オープン2回戦でも快勝している。「粗いところはあると思うけどフォアが結構強烈。ストローク戦で負けないようにしたい」と警戒する錦織だが、ベスト8を懸けた相手としてはくみしやすいはずだ。

 2年ぶりの4回戦進出を果たし、もう一つ勝ち進めば男子シングルスでは1933年に4強まで勝ち進んだ佐藤次郎以来の8強入りとなる。「ローランギャロスで行ったところのない可能性を開けるのは楽しみ」。そのための絶好のチャンスが訪れている。

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2015年5月30日のニュース