宮原、自己ベストで銀 ポスト真央「ここからが本当のスタート」

[ 2015年3月29日 05:30 ]

2位の宮原知子は日の丸を手にファンの歓声に応える

フィギュアスケート世界選手権女子フリー

(3月28日 中国・上海)
 女子は昨年の全日本選手権を制した宮原知子(17=関大高)が、193・60点の自己ベストで銀メダルを獲得した。

 昔の宮原を知る人は、誰も信じられないだろう。大観衆の視線を集め、懸命に舞い、表彰台でスポットライトを浴びる姿を。「表彰台に乗ることは難しいと思っていた。ビックリしているけど、うれしい。2位になれると思っていなかった」。SP、フリー、合計全てが自己ベスト。オフアイスでは寡黙な17歳は、演技中は雄弁に表現した。

 両親の仕事の都合で、4歳から7歳まで米テキサス州で過ごした。約3年通った幼稚園では卒園するまで園内で話さず、コミュニケーションをボディーランゲージで済ませた。カウンセリングに行ったが異常なし。「本当に変わった子で…。人前で英語を話すのが嫌だったみたい。今、人前で演技するなんて考えられない」と母・裕子さん(45)は振り返る。

 SP3位発進で迎えた「ミス・サイゴン」のフリー。「メダルのことは全然考えていなかった」。滑走順は地元・中国の李子君の直後。大歓声の余韻を残した状態で演技が始まったが、12年全日本選手権フリーで浅田真央の後に滑った経験が生きた。回転不足になった後半の3回転ルッツ以外は、ほぼ完璧だった。

 浅田真央が休養した今季、苦戦が予想された日本女子は10大会連続表彰台と歴史をつないだ。「ここからが本当のスタート。(周囲に)もっと大きな恩返しができるように頑張っていきたい」。静かな新エースは、声のトーンを少し上げた。

 ◆宮原 知子(みやはら・さとこ)1998年(平10)3月26日、京都府出身の17歳。4歳でスケートを始め、11、12年と全日本ジュニア選手権を連覇。昨季、シニアに本格参戦。今季は全日本選手権で初優勝した。趣味は料理。1メートル47。

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2015年3月29日のニュース