【新風力士】大原 抜群運動能力光る1メートル70小兵

[ 2015年3月11日 09:30 ]

元幕内経験者の鳰の湖(左)を下した大原

 関取昇進を狙う幕下に異彩を放つ小さな力士がいる。1メートル70、93キロの大原だ。中卒後の09年春場所に初土俵を踏み、徐々に番付を上げて現在は幕下35枚目。「師匠(錣山親方、元関脇・寺尾)からは“体が小さい分、何をやるにしても思いっきりやれ”と言われている」と話すように、抜群の運動神経、負けん気の強さ、精かんな顔立ちで午後1時台の館内を沸かせている。今場所も2連勝発進。この日は元幕内・鳰の湖に果敢に張り手を繰り出し、小さな体を生かして中に潜って寄り切り。「連勝を伸ばして勝ち越したい」と気を引き締めた。

 陸奥部屋にいた兄(元三段目・太源、11年引退)の影響もあって角界入り。入門時は70キロだったものの“丼飯3杯”と“筋トレ”を日課に丸6年で90キロ台まで増やした。「あまり食べられる体質ではないけど、110キロは欲しい」と目標を掲げる。師匠は「関取になれる素質は十分。運動神経もいい。稽古もやる」と評価し「筋肉をつけ、でかくならないと」と課題を挙げた。関取に昇進すれば、人気力士になること間違いなし。“小さな巨人”となるため、21歳は日々鍛錬を続けている。

 ◆大原 禎貴(おおはら・よしき)1993年(平5)12月14日、愛知県名古屋市出身の21歳。石川県七尾市能登島で生まれ、小3から約2年間「能登島相撲教室」で相撲を経験。小5から名古屋市に転居し、中卒後に錣山部屋に入門。1メートル70、93キロ。

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2015年3月11日のニュース