大鵬夫人 白鵬に苦言“審判批判問題”「なんとなく残念」

[ 2015年1月30日 05:30 ]

優勝額除幕式に出席した大鵬夫人の納谷芳子さん(左から4人目)ら

 大鵬を超える単独史上最多の33度目の優勝を飾った大相撲の横綱・白鵬(29=宮城野部屋)が初場所13日目の勝負判定への不満から審判部を公然と批判した問題について、大鵬夫人の納谷芳子さん(67)が胸中を明かした。29日、東京都江東区の深川北スポーツセンターで第48代横綱・大鵬の優勝額お披露目式が行われた際に、天国にいる夫の代弁者として“品格問題”にも言及した。

 大鵬夫人にとって白鵬の審判部批判は人ごとではなかった。夫の優勝額お披露目式が終わると芳子夫人は、白鵬の優勝一夜明け会見での問題発言について「なんとなく残念だった。そういう気持ちが心のどこかにあったからパッと言っちゃったのかな。ああいうことは言っちゃいけないことだし、私も(品格については)何回も言っていたのになと思いました」と率直な思いを打ち明けた。

 8年前に白鵬が横綱に昇進した時から大鵬さんは折に触れてさまざまなアドバイスを送ってきた。亡くなる2日前にも「しっかりやれよ」と激励。その後も、芳子夫人は白鵬と交流を続けて品格に対して口うるさかった亡き夫の思いを代弁してきた。この日も「お父さんは“横綱としてトップとして自分のことだけじゃなく勝つだけじゃなく、相撲界のことを考えて指導しながら頑張ってほしい”と言っていた」と大鵬さんのメッセージを披露。優勝回数で夫を超えた横綱に対し「そこをよく分かって頑張ってほしい」と強調した。

 大鵬さんは69年春場所に連勝が45でストップ。その際、ビデオで見ると相手の足が先に出ていたことを伝えられたが、「横綱がそういう相撲を取ったのが悪い」と言ったとされる。現役時代の夫について芳子夫人は「自分(の相撲)が悪いと思われても仕方ない」との理由で勝負判定に不満を述べることなどは皆無だったことを明かした。

 この日、白鵬は午前中に宮城野部屋に姿を現したものの無言を貫いて夕方に帰宅。審判部批判という“品格なき”騒動を収めるには自ら反省の意を示すしかない状況だが、一向に口を開こうとする様子はない。

 ▽白鵬の審判部批判騒動 初場所で単独史上最多の33度目の優勝を全勝で達成した千秋楽から一夜明けた26日、宮城野部屋で会見した白鵬は、明け方まで祝宴を開いた影響でアルコールが残った状態で1時間以上遅れて登場。13日目に同体取り直しとなった大関・稀勢の里戦の最初の一番について自らの勝利を主張するとともに「子供が見ても分かる相撲。もう少し、緊張感を持ってやってもらいたい。本当、肌の色は関係ないんだよね」などと相撲協会の審判部を痛烈に批判した。この発言に対し、北の湖理事長(元横綱)は師匠・宮城野親方(元幕内・竹葉山)を通じて厳重注意した。

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2015年1月30日のニュース