柔道界“背負う”東京五輪の星・阿部「全部1本で金1号」だ

[ 2014年8月13日 05:30 ]

第2回ユース五輪を前に行われた日本選手団の結団式

 金メダル1号は俺だ!中国・南京で開催される第2回ユース五輪(16~28日)の日本選手団結団式が12日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで行われた。柔道の今夏インターハイ王者で20年東京五輪の星・阿部一二三(ひふみ=17、神港学園高)は競技初日の17日に男子66キロ級に出場。最初の金メダルを獲得して日本選手団を勢いづかせる。

 インターハイを6試合オール一本勝ちで制してから9日。選手団のブレザーに身を包んだ阿部は、より一層自信を深めた表情で決意表明した。

 「ぜひ優勝したい。今年の中でも一番狙いたいタイトルなので。インターハイから間も空いていないので調子に乗っていける。全部一本勝ちしたい」

 世界の舞台では苦い経験もある。昨年8月の世界カデ柔道選手権(15~17歳が対象の国際大会)では初戦の2回戦からオール一本勝ちで順調に勝ち進んだものの、決勝でグルジア人選手に優勢負けを喫して銀メダル。「実力を出したら勝てると油断した」と苦杯をなめた。そのためインターハイ後の合宿では、パワフルな外国人対策に立ち技や場外際の技に磨きを掛け、重量級相手の乱取りにも汗を流した。「今回は油断せずに一試合一試合戦いたい」と精神面でも一分の隙もない。

 競技が行われるのは開会式翌日の17日。水泳やトライアスロンでもメダルが確定するが、阿部も金メダル1号の可能性を持つ一人。4年前にシンガポールで行われた第1回ユース五輪では、トライアスロン女子で佐藤優香(トーシンパートナーズ・チームケンズ)が金メダル1号。活躍が認められ、昨年9月のIOC総会では20年五輪招致最終プレゼンテーションに参加し、東京招致に一役買った。競技以外でも活躍の場を広げている先輩の存在は阿部も承知しており、「(金メダル1号を)みんなから言われた」と獲る気は十分だ。

 20年東京五輪では柔道日本のエースとして期待される逸材だが、阿部自身は「リオデジャネイロも出る」と決めている。2年後の大舞台へ、まずは同世代を制圧する。

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