有村“必然”連覇!「愛してもらってるのかな」

[ 2012年7月16日 06:00 ]

大会連覇を達成し、ガッツポーズをする有村

女子ゴルフツアー スタンレー・レディース最終日

(7月15日 静岡県裾野市 東名カントリークラブ=6520ヤード、パー72)
 有村智恵(24=日本ヒューレット・パッカード)が霧の中での超短期決戦を制し、自身初の大会連覇を達成した。この日も濃霧でスタートが遅れ、最終ラウンドはインの9ホールに短縮して実施。ツアーでは6度目の珍事となる合計27ホールでの争いとなった。1打差の2位から出た有村は1バーディー、1ボギーで通算5アンダーをキープ。首位スタートの森田理香子(22=リコー)を逆転し、4月のサイバーエージェント・レディース以来となる今季2勝目、通算12勝目を挙げた。
【最終成績】

 ここでは不思議といいプレーができる。そして、短縮競技の戦いも熟知している。「今週は開幕前のプロアマ戦も優勝したし、コースからも愛してもらってるのかな」。ならば、どんなイレギュラーな状況でも有村が勝つのは必然だった。

 もちろん相性だけではなく、迷いのない姿勢も大会3勝目の原動力になった。「優勝をもぎ取る緊張感は54ホールでも27ホールでも同じ。どんな形でも優勝に変わりはない」。今年と同じように27ホール短縮となった07年は上田、横峯とのプレーオフで敗れた。ツアー初優勝が異例の短縮競技で決まるのかという「迷い」を拭えなかったからだ。「きょうは絶対に勝ちにこだわろうと思っていた」。あれから5年、10勝以上積み上げた有村には、もうそんな甘さは消えていた。

 インの9ホールを使う最終日も3年前に経験済みだった。10、12番と難しいホールをパーで耐えて、その後にバーディーを奪う流れはインの理想的な展開。同組の森田や大和が緊張感にのまれたのとは対照的な堂々たる勝ちっぷりだった。

 今季2勝目を手にして自分に対する期待も徐々に高まっている。左手首への不安などから前週の全米女子オープンは出場を見送ったが、テレビで観戦するうちに「どうして出なかったんだろう」という思いがこみ上げてきたという。「だから、あのタフなコースで勝つためにこれから今年は行動していきたい」。長くて短い3日間。霧が晴れた空。有村はその先を見据えていた。

 ◇有村の過去の主なスタンレー・レディース

 ☆07年(2位) 台風の影響で2日目が9ホールに短縮。最終日は中止で2日目時点で首位の上田、横峯、有村のプレーオフに。16番のみを使う3ホールストロークプレーでまず横峯が脱落。さらにサドンデス方式の1ホール目で有村が上田に敗れた。

 ☆09年(優勝) 濃霧の影響で最終日がイン9ホールのみの45ホール競技になった。2位に3打差の首位からスタートした有村はボギーなしの34で回り、2位に4打差をつけて逃げ切った。

 ☆11年(優勝) 初日にアルバトロスとホールインワンを達成。“3万年に1回”と言われたツアー初の快挙で初日から首位に立ち、大会2度目の優勝を飾った。

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2012年7月16日のニュース