遼 パット好調で5打差5位浮上「自信を持ってきた」

[ 2012年6月4日 06:00 ]

第3ラウンド、通算3アンダーで5位に上がった石川遼

USPGAツアー メモリアル・トーナメント第3日

(6月2日 米オハイオ州ダブリン ミュアフィールドビレッジゴルフクラブ=7352ヤード、パー72)
 12位から出た石川遼(20=パナソニック)は4バーディー、3ボギーの71にまとめ、通算3アンダーとし、首位と5打差の5位に浮上した。強風で各選手が苦しむ中、パットがさえて後半に巻き返した。60位でスタートした今田竜二(35)も71で、通算2オーバーの31位に浮上。スペンサー・レビン(27=米国)が通算8アンダーで首位に立ち、タイガー・ウッズ(36=米国)は73で、首位と4打差の4位に後退した。

 パットがこれほどスコアに貢献するのは、いつ以来だろうか。今季は国内開幕戦からパットに苦しんだ。毎週のようにパターを変更し、成績も振るわなかった。その石川がグリーン上で輝いた。3つスコアを落として迎えた11番パー5で第2打をクリークに入れながらパーセーブすると流れが一変。12番から4メートル、7メートル、3メートルを決めて3連続バーディーを奪うと、16番は10メートルをねじ込んだ。

 「きょうはパットがいい仕事をしてくれました。(いろいろパターを試したのは)全部この5週間のため。自分では結構自信を持って、日本を出てきました」

 傾斜が大きい上に「今までで一番速い」という超高速グリーン。初日はタッチが強く、3パットのボギーが2回もあった。3日日はクロスハンドで素振りをし、右手の力を抜くように意識してから順手で打った。ちょっとした工夫が好タッチを生み出した。

 パットが決まった要因は他にもある。これまでも海外ではコースマネジメント重視のゴルフを見せていたが、その傾向を一層強めていることが超高速グリーンで生きている。ロングパットを決めた難度1位の16番が典型的。練習ラウンドと同じルートで攻めたからこそ頭にインプットされていた、上って下る難しいラインを沈めることができた。

 「ここに付けば、こういうラインのパットになるというのがイメージできる。グリーンに向かうときの精神状態が楽」

 強風で周囲が伸び悩み、首位と5打差の5位に浮上した。単独7位以上なら来季シード獲得の目安となる年間獲得賞金80万ドル(約6200万円)を突破する。「気持ちは何も変わらない。目の前の1打に集中するだけ」と冷静だが、3位以上で到達する年間獲得賞金100万ドル(約7800万円)、そして米ツアー初優勝も夢ではない。 

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2012年6月4日のニュース