元囲碁のプロ棋士志望 15年目・谷“理詰め”の首位

[ 2011年10月1日 06:00 ]

7番、ティーショットを放つ谷。5年ぶりに首位に立った

コカ・コーラ東海クラシック第2日

(9月30日 愛知・三好CC西コース=7310ヤード、パー72)
 プロ15年目の谷昭範(36=HGホールディングス)が6バーディー、1ボギーの67で回り、通算8アンダー、136で首位に立った。囲碁のプロ棋士を目指したこともある異色選手は理詰めの戦略でツアー初勝利を目指す。同じく67をマークしたベ・サンムン(25=韓国)が首位に並び、石川遼(20=パナソニック)はスコアを1つ伸ばし、通算2アンダー、142で19位につけた。

 予選2日間の平均飛距離は270・75ヤードで82位。“飛ばない”谷が67をマークした。ラフが深い難コースで「アプローチが良くて、外してもしぶとくパーが拾えた」と我慢のプレー。2度のチップインバーディーなど小技がさえた。

 父の仕事の関係で台湾で生まれ、幼い頃は囲碁に親しんだ。台湾では社会人も出る大会で優勝し、日本に戻った小学6年の時には日本棋院に入りプロの棋士を目指した。現在も趣味でインターネットでの通信対戦に興じ「段位でいえばアマの七、八段」の腕前だ。

 プロゴルファーの姉・美稀子(40)の影響もあり「スポーツの方が好きだった」ため中学1年でゴルフを選んだが、今もプレーでは囲碁さながらに先を読んでいる。「考えすぎるんで、本当はもっと野性の勘でやりたい」と笑わせながらも、「コースが難しいから第2打から保険をかけている。グリーンを外してもこっちならという所を狙う。ピンにがっつかずに攻めた」と理詰めのマネジメントで5年ぶり3度目の首位に立った。

 現在の賞金ランクはシード圏ぎりぎりの70位。「まずはシードを確定させたい」と手堅い目標を立てるが、その先の優勝への道筋も頭に描いているに違いない。

 ◆谷 昭範(たに・あきのり)1974年(昭49)10月3日、台湾・台北生まれの36歳。プロ棋士を目指したものの中学1年で囲碁をやめ、大阪・PL学園高を1年で中退後に米国やアジアでゴルフの腕を磨き、97年にプロテスト合格。ツアー最高成績は昨年のレクサス選手権4位。昨年、賞金ランク70位で初のシード獲得。家族は妻。姉・美稀子(40)もプロゴルファー。1メートル73、76キロ。

 ▼1位、ベ・サンムン 難しいコースで正確なティーショットが必要な上、グリーンも速い。一日、一日のプレーに集中することが優勝につながる。(6バーディー、1ボギー)

 ▼4位・薗田峻輔 7番で6メートルのバーディーパットを気持ち良く打てて良くなった。最近は調子を落としていたのでかなり満足。(パッティングが好調で68)

 

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2011年10月1日のニュース