4冠ロクテに刺激!入江 自由形挑戦!

[ 2009年8月6日 06:00 ]

水泳世界選手権を終え帰国した入江陵介はサッパリとした表情で成田空港に姿をみせ

 水泳の世界選手権(ローマ)に出場した競泳日本代表が5日、成田着の便で帰国した。男子200メートル背泳ぎで銀メダルを獲得した入江陵介(19=近大)は背泳ぎ強化のため今後は自由形にも本格的に取り組むことを明かした。男子200メートル背泳ぎの元世界記録保持者で今大会、個人メドレーと自由形リレーで4冠を達成したライアン・ロクテ(24=米国)に刺激を受けた様子で、自由形での公式試合出場も予定している。

 ローマから帰国したばかりの入江が、初の世界選手権で新しい感覚を味わったことを明かした。「一緒に背泳ぎで泳いだロクテは多種目にわたって活躍した。そこには強さがある。僕もフリー(自由形)を練習しようと思う」。背泳ぎ強化のため自由形にも本格的に取り組むことを明かした。

 ロクテは過去に世界記録も保持していた背泳ぎを得意とする選手だが、今大会は個人メドレー2種目と自由形のリレー2種目で4冠を達成。ロクテのオールラウンドな泳ぎを目の当たりにしたことが、自由形を強化しようと考えたきっかけだ。

 2つの泳法には共通点がある。近大の田中穂徳監督は「自由形と背泳ぎはテンポが似ている。水をつかむ感覚も似ているので(自由形をやることで)より背泳ぎが研ぎ澄まされる」と二刀流挑戦への意味を明かした。88年ソウル五輪男子100メートル背泳ぎで金メダルに輝いた鈴木大地氏も、同年日本選手権100メートル自由形で優勝している。

 「(国際)大会に出るとかじゃない。タイムも持っていませんし…」と、あくまでも本職の背泳ぎでロンドン五輪金メダルを目指すことは変わりはないが、自由形での公式戦出場も予定している。9月4日開幕のインカレ(熊本)で男子400メートルリレー、男子800メートルリレーで自由形を泳ぐ。「今までは(自由形を)アップで軽く泳ぐことはあったがハードな練習はしたことがない。まずはインカレへ向けてしっかり強化したい」と意欲十分だ。

 インカレ後は、国体(9月26日開幕、新潟)、東アジア大会(12月12日開幕、香港)に出場予定。「今大会は区切りの大会だった。3年後のロンドン五輪では、もっといい色のメダルを狙っていきたい」。夢の金メダルへ向けて、まだまだ伸び盛りの19歳が新たなステージに足を踏み入れる。

 ◆ライアン・ロクテ 1984年8月3日、米ニューヨーク州出身の25歳。アテネ五輪では200メートル個人メドレーで銀メダル、800メートルリレーで金メダル。北京五輪では200メートル背泳ぎを世界新記録で制し、800メートルリレーでも金。200メートル個人メドレー、400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得。1メートル88、84キロ。

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2009年8月6日のニュース