「にらみ合い」で横審 理事長が注意しろ

[ 2008年5月26日 21:13 ]

 日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)が26日、東京・両国国技館で開かれ、25日の夏場所千秋楽結びの一番で、朝青龍の駄目押しをきっかけに土俵上でにらみ合うなど失態を演じた朝青龍と白鵬の両横綱に対し、北の湖理事長(元横綱)が2人に直接注意するよう進言した。

 北の湖理事長は26日に白鵬の師匠、宮城野親方(元十両金親)を相撲協会に呼び、厳しく指導するよう注意。しかし横審からは「両横綱に対し、理事長がけじめをつけるべきだ」との意見があり、個別に注意することが決まった。横審の海老沢勝二委員長は「後味の悪い場面で、2人の行為は大相撲の長い歴史の中でも好ましい態度ではなかった。横綱は品格をもって正々堂々と務めるべきだ」と苦言を呈した。内館牧子委員は「世間の人が納得する形にしなければいけない」と話した。
 北の湖理事長は、駄目押しを受けた後に朝青龍に体をぶつけて押し返した白鵬に非があるとし「(駄目押しは)相撲の流れの中でのこと。ひじを出した白鵬の行為が悪い」との考えを示した。
 また、14勝1敗で初優勝した大関琴欧洲の綱とりについて、海老沢委員長は「何勝すれば横綱、優勝すれば横綱という話題は出なかった。結果と頑張りを見ようということだった」と説明した。

 ▼横綱審議委員会・海老沢勝二委員長の話 横綱のあるべき姿、品格を問われかねない行為だった。横綱は全力士の模範となるべき立場。理事長の方から注意喚起するよう進言した。

 ▼内館牧子委員の話 わたしには朝青龍が駄目を押したように見えたが、どう見るかによって見解は違うので難しい。でも、にらみ合ったことについて、白鵬側にだけ注意するのは納得いかない。

 ▼石橋義夫委員の話 玄人から見ると白鵬が悪いというが、一般の人から見ると朝青龍も悪い。両方注意すべきだ。白鵬は今までなかったことだが、品格に問題がある。協会の指導不足と言える。

続きを表示

2008年5月26日のニュース