【都知事選】蓮舫氏は当選ならず　8年の小池都政へ皮肉＆育て世代への支援約束も届かず

都知事選の結果を受け、目を潤ませる蓮舫氏　（撮影・小田切　葉月）
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　任期満了に伴う東京都知事選が7日、投開票され、無所属で立候補した前参院議員の蓮舫氏（56）が落選することが確実となった。

　事実上の与野党対決となった七夕決戦。結果が国政に影響を与える可能性もあるだけに、大きな注目を浴びた。

　自民、公明両党などの支援を受けた小池氏に対し、蓮舫氏は「幅広い人たちの声を聞きたい」と、一念発起して参院議員を辞職し、立憲民主党を離党。立民、共産、社民の各党の支持を受けて出馬した。先月29、30日に共同通信が行った電話調査では、小池氏が一歩リード。蓮舫氏が続き、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏（41）が激しく追い上げる展開が伝えられていたが、当選は遠かった。

　序盤は現職の小池氏を徹底マークするような選挙戦だった。候補者討論会への打診を小池氏から3度、断られたことなどを挙げ、「どうして表に出て堂々と討論してくれないのか。逃げないでもらいたい」と挑発的な言葉も発した。「政官業の癒着のない正直な政治を、皆さんのお金の正しい使い方できる政治を、この8年間やってこなかった政治を、今のリーダーから反面教師で学びました」。小池都政を皮肉りつつ、「どうか勝たせていただきたいと思います」と声を枯らした。

　その上で訴えたのは若者、現役世代への手厚い支援だった。少子高齢化の一因に非婚化率の上昇を挙げ、「不安と負担を抱え、結婚、出産を自ら選択できない若者が増えています。だからこそ、今必要なのは、徹底して若者を支え抜くこと」と、若者らの手取りアップを目指した施策を公約に掲げた。自身が双子の男女を育てた経験から、「子育てする皆さんをきめ細やかに支える都知事でありたい」とも訴えた。選挙期間中には、神宮外苑の再開発について都民の是非を問う都民投票の実施を都議会に提案するなど、最後まで道を模索した。

　石丸伸氏の追い上げが伝えられると、作戦を変更した。駅前で自らビラを配るなど、有権者と交流する機会を増やし、一日の終わりには愛犬を抱きかかえる写真をSNSに投稿するなど親近感をアピール。「ひとり街宣」などを駆使して巻き返しを図ったが、及ばなかった。

　史上最多の56人が立候補した都知事選。期日前投票は過去最多の215万1251人で、投票率は18・65％。前回（20年）より39万7238人多く、有権者の関心の高さをうかがわせた。

　一方で、掲示板には選挙に無関係かつ品位を欠くポスターが貼られたり、政策を一切訴えずに自身のSNSチャンネルの宣伝をする候補も現れるなど、選挙のあり方も問われた。