横浜市立金沢動物園　希少植物保護地が荒らされた件報告も「過激な犯人捜しは望んでおりません」

　横浜市金沢区にある横浜市立金沢動物園は11日、公式ツイッターを更新。9日に絶滅危惧種である植物の保護地がひどく荒らされ、その希少植物がほぼ全て引き抜かれる事例が発生したと報告したが、「過激な犯人捜しは望んでおりません」とした。

　事件は4月4日に発生。同動物園の公式ブログで「盗掘か、いたずらなのか、まだはっきりしていませんが、前日の開園中に行われたようです。人止めや調査用具等設置していましたが、乗り越えられ、壊されていました」と報告。

　また、「この植物は数十年前、市内の造成予定地に生育していたものを保護的に移植したと伝わっています。長年に渡り管理を続け、ここ数年は保全推進の観点から増殖にも積極的に取り組んでいました。取り組みが実を結び始め、今年は例年の数倍の蕾（つぼみ）をつけました。そんな矢先の出来事で非常に残念でなりません。それと同時に、かつては人の生活に根差して生育していたこの植物を理解していただくにあたり、人との距離を離し過ぎないよう心掛けて保全を進めてきましたが、それらが対策の甘さを生んでしまったのではないかと深く反省しております。今後は残された株の状態を確認しつつ、立て直しに全力で取り組みたいと思います。また、残念ではありますが保護の為、バックヤードへ移植等も検討しています。毎年花を楽しみにされている来園者様方には大変申し訳なく感じておりますが、何卒ご理解ください」とし、地元警察署に相談し対応していると報告した。

　この日はツイッターで事件発生を知らせたのは「私どもの保全活動を皆様に知っていただき、野生動物や自然環境の保全を推進していきたいとの想いからでした」とし「過激な犯人捜しは望んでおりません。皆様におかれましても、ご配慮いただければ幸いです。この機会に私どもを知っていただいた皆様におかれましては、ぜひ一度ご来園いただき、私どもの活動をご覧いただけますと嬉しく思います」と呼び掛けている。