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村の伝統行事「うさぎ追い」3年ぶり開催も賛否 「ただの虐待」「時代錯誤」一方「反対はしない」の意見も

[ 2023年2月17日 10:57 ]

 3年ぶりに開催された熊本県産山村の伝統行事「うさぎ追い」にインターネット上で賛否の声が上がり、一時ツイッターでトレンド入り。村がホームページで“説明”する事態になっている。

 熊本県産山村では、11日に「大草原のうさぎ追い」を開催。「チョイ棒」と呼ばれる約1メートルの竹の棒を手にした参加者たちが草原に1列に並び、「チョーイチョイチョイ」と声を上げながら野ウサギを追い込み、捕まえたウサギに名前を付けて草原に戻した。このウサギ追いは、1940年代には阿蘇郡地方の学校行事として定着していたとされ、冬山を駆け回り、鶏ご飯を食べるのが子供たちの楽しみだったという。1996年以降は学校行事から産山村が主催する行事となっている。

 この3年ぶりに開催された行事の様子は、村のホームページで発信されたほか、地元紙などが報道。ネット上では、男性がウサギの手足をつかんでいる写真や、網の罠の中でおびえているウサギの写真が拡散され、「ウサギ追いってトレンドになってるからみたけどただの虐待やん」「野に放したってあるけど、あんなことしたら骨折したり怪我したりで死んじゃうよ」「時代錯誤」などの声が上がり「うさぎ追い廃止」のキャンペーンも登場。また、「うさぎ追いの件、反対運動には賛成ですが、村の文化やそういう伝統行事があった経緯を否定するのは止めた方が良いと思う」「行事として定着してるなら自分は反対はしないわ。今は食べないだけで、元々は狩りだったんだろうし。同じ理由で闘牛も闘鶏も反対はしない」という意見もある。

 村では、16日にホームページ(HP)で「『大草原のうさぎ追い』について寄せられたご意見について」と題し、「本行事は、昭和20年代頃から、学校行事として定着していたものを、里山地域における伝統行事の一つとして現代に繋いでいくことを目的として、これまで開催してまいりました。今回、報道等で本行事をご覧になられた方々から、うさぎ追い行事に対する様々な御意見をいただいておりますので、事務局でも、今回いただいた御意見を踏まえて、本行事の在り方について協議を重ねて参ります。この度は、貴重なご意見をいただきありがとうございました」との文章をアップ。行事を主管する企画振興課は、100件以上の意見が寄せられた言い、行事について「ご意見を参考にして今後、協議していきたい」としている。

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2023年2月17日のニュース