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激情家で頑固者、芸術家肌の面も “右腕”が語るアギーレ氏

[ 2014年7月26日 08:42 ]

日本代表の新監督に就任が決まったアギーレ氏(ゲッティ)

 日本代表の新監督に就任が決まったハビエル・アギーレ氏(55)の人物像とは?かつてメキシコ代表をW杯で2度も16強に導いた指揮官に迫る。第1回は今季からアギーレ氏の後任としてスペインのエスパニョールを指揮するセルヒオ・ゴンサレス監督(37)が24日、本紙の独占取材に明かした素顔。熱血漢でありながら、ピッチ外ではクラシック音楽と家族を愛する一面も見えてきた。

 誰もがエネルギッシュで情熱的と評する。昨季までエスパニョールBチームの助監督、監督としてアギーレ氏を支えたゴンサレス氏が証言した。

 「熱血的で戦術にも優れている。選手、コーチとは親密な関係を持つ」

 激情家ならではの逸話もある。メキシコ代表監督時代に優勝した09年北中米カリブ海選手権のパナマ戦では、ベンチ前のタッチライン際で突破を図った相手選手の腹部に蹴りを入れた。主審や対戦相手の監督を汚い言葉でののしり、ベンチ入り停止処分を受けたこともある。ピッチで熱くなるのは強いパーソナリティーの証でもある。

 「起用に関しては信頼した選手をとことん起用する面がある」とゴンサレス氏。メキシコを率いた10年W杯南アフリカ大会では当時37歳のFWブランコを復帰させた。一方でマンチェスターUへの移籍が決定していたFWエルナンデスはベンチ要員。周囲の批判にも動じなかった。見た目の美しさにこだわらず、状況に応じた「戦術」を導き出す手腕にも優れる。「彼は堅守から相手にプレッシャーをかけてボールを奪い、速いカウンターを仕掛ける実用的なサッカーを見せる。バルセロナやRマドリードのようなビッグクラブとは違い、限られた選手層で戦っていたからだ」。指揮したオサスナ、サラゴサなど中堅クラブでは1部残留に現実路線が必然だった。ゴンサレス氏はそれが日本代表に当てはまるとは限らないという。

 一方、ピッチ外では芸術家肌の一面を持つ。趣味は読書。母親がピアニストだった影響を受け、クラシック音楽を好む。愛妻家としても有名で新しい文化に接することを好む。現在はシルビア夫人と共に来日を心待ちにしているという。ゴンサレス氏は「クラブでも代表でも常に目標を達成する力を示してきた。劣勢で士気が下がっている時にチームを鼓舞して立ち直らせる力がある監督なのは間違いない」と指摘。日本でその能力を発揮する日が待たれる。

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2014年7月26日のニュース