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無ゴンの存在感「おるだけで空気違う」

[ 2010年1月21日 10:11 ]

別メニューの中山は黙々とランニング

 札幌が20日、キャンプ地・グアムで練習をスタートさせた。元日本代表FW中山雅史(42)は、右足内転筋付着部炎の影響で別メニュー。1日でも早く合流するため、練習中はほぼ無言でリハビリをこなした。チームを鼓舞する機会はなかったが、それでも石崎信弘監督(51)や選手たちは、ゴンの存在感をあらためて口にした。

 南国の青い空の下で、ゴンが無言を貫き、黙々とメニューを消化した。チームメートとグラウンドにいた時間は約50分。1度も輪に入るタイミングはなかった。それだけに、やり切れない思いがこみ上げてきた。
 「ちょっと悔しいというかふがいない。(キャンプ)初日に別メニューが情けない」
 21年目にして初の移籍。札幌で決意を新たにし、第2のサッカー人生を切ったが、佐川トレーナーの下、右足首捻挫のFW内村とリハビリメニューをこなしただけでキャンプ初日は終了。石栗コーチの指示に大きな声で応えていた若手選手たちの姿を目の当たりにした。「声を出して元気があって良かった。その中に入れなかったのは寂しいし、石さんの練習を体感できなかったのは残念」と肩を落とし、宿舎へ戻った。
 無念さを口にしたが、“ゴン中山”というサッカー選手の存在感は、ピッチの隅々まで発揮していた。石崎監督は「ゴンちゃんがおるだけで、全然(練習の)空気が違う。みんなとプレーをしている姿を見るのが楽しみ」と期待を寄せれば、36歳のDF藤山は「いるだけで存在感がある」とした。他の選手たちも口々に偉大さ実感している。
 今は、ボールを蹴りたいという葛藤を抑えながら、焦らずに患部を治すことに専念する。「痛みを消すこと。グアムで合流することが第一。いろいろなことを考えて、不安になることもあるが、信じてやり続けるしかない。ぼくはここにサッカーをやりに来た。それを体現したい」。新しいチームメートとボールを追う姿を夢見て。ゴンが今やるべきことに集中する。

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2010年1月21日のニュース