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ブーイングに負けず…デフォー降格圏脱出弾

[ 2009年1月20日 06:00 ]

 イングランド・プレミアリーグ第22節の2試合が18日に行われ、トットナムがポーツマスとの因縁対決を1―1で引き分け、降格圏を脱した。ポーツマスから移籍したばかりのFWジャーメイン・デフォー(26)が後半25分に同点弾。下位が激しく競り合う中、昨年10月にポーツマスから引き抜かれたハリー・レドナップ監督(61)とともに古巣相手に貴重な勝ち点を稼いだ。

 ヤジとブーイングが心地よかった。1点を追う後半25分にデフォーが同点弾。ペナルティーエリアの外側で左足を振り抜き、ゴール右に決めた。

 「得点すれば古巣相手だろうが気分はいい。ヤジられるのは分かっていたけど、それがサッカー」とデフォー。移籍初得点で存在価値を示した。

 このカードは“2戦連発”も、昨年9月はポーツマスに所属し、PKでトットナム撃破に貢献した。1カ月後にレドナップ監督とコーチ2人が2000万ポンド(当時約30億円)の補償金で引き抜かれると、自らも指揮官を慕って移籍志願。ポーツマスファンに“死の脅迫”を受けながら今月6日に移籍した。

 過去3年でトットナムから4選手を引き抜いたポーツマスが、今回は指揮官と主力FWをシーズン中に強奪された。引き抜き合戦の因縁だけでなく、ポーツマスDFキャンベルが前回対戦時に差別的なヤジを受け、トットナムファン11人が逮捕される伏線もあった。両クラブがファンに良識的な行動を求め、警備増強で緊迫した因縁対決。そんな舞台でデフォーが結果を出した。

 FWパブルチェンコとDFキングが負傷した中で勝ち点1を確保。18位から16位に順位を上げたレドナップ監督は「最後まで全力で戦った。これなら降格しない」と話した。トットナム監督に就いた第9節以降限定なら9位。2分け6敗で最下位だったチームを立て直した。スペイン人のファンデ・ラモス前監督は通訳を通じた対話に行き詰まったが、こまめに話して選手と信頼を構築。親しみやすい人柄にDFドーソンは「自信を取り戻させてくれた」と言う。

 シーズン途中で去った12位ポーツマスとの勝ち点差は3。残留争いはその3差に9チームがひしめくが、開幕前は4強に次ぐと言われただけに負けられない。ポーツマスファンから「裏切り者」のレッテルを張られながらも、レドナップ監督とデフォーの挑戦は続く。

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2009年1月20日のニュース