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20年東京カヌー開催地江戸川区 羽根田“銅”の流れに乗る!

[ 2016年8月11日 05:30 ]

江戸川区篠崎文化プラザで開催中の展示会を訪れ、レジャー用のカヌーに乗る小学生たち

 リオデジャネイロ五輪で羽根田卓也(29=ミキハウス)が日本カヌー史上初となる銅メダルを獲得し、2020年東京五輪・パラリンピックでカヌー・スラローム競技が開催される江戸川区に追い風が吹いている。すでに競泳のニューヒロイン池江璃花子(16)の地元として注目を集めているが、カヌー会場として認知度がアップ。羽根田には早くも「ハネタク」の愛称がついた。

 羽根田の快挙に日本中が沸いたこの日、江戸川区の篠崎文化プラザで開催中の企画展「カヌーがまちにやってくる!」は地元の小学生や住民らでにぎわった。銅メダルに感激して訪れた男性(72)は「区内で4年後にカヌーをやるなんて、羽根田がメダルを獲らなければ知らなかったよ」とうれしそう。小学6年生の女子児童3人は、展示されたカヌーに乗って「パドルが重い」「ぐらぐら揺れる」と大はしゃぎ。4年後にカヌーが地元で開催されることを学校で教わったといい「生で見たい!」と声をそろえた。

 尾崎和也館長(50)によれば、展示が始まった5月から、週末には1日600人近い人出があるという。「4年後に向けて江戸川区民一体となって盛り上げたい」とメダル効果に期待を寄せた。

 マイナー競技だけに区民への周知が課題だった。区では、昨年から区民を対象にしたカヌー体験教室を開催。初年度は7、8月で計5回だったが、今年は同期間で20回に増やした。江戸川区カヌー協会も区内の小学校へ出向き体験教室を実施してきたが、羽根田の活躍でカヌー競技の知名度は一気に上がった。

 五輪の競技会場は?西臨海公園の隣にある都有地に建設される予定。大会後も常設されることになっており、カヌーだけでなくラフティングなどの水上スポーツの拠点として期待がかかる。

 区内に住む池江はメダルにこそ手が届かなかったが、東京大会での表彰台を期待させるレースを展開。区では「江戸川区スポーツ夢基金」を創設し、池江ら区内在住の有力アスリート21人に支援金を交付している。治安が悪いなどマイナスイメージがあったが、“スポーツ先進区”として生まれ変わろうとしている。実は江戸川区、東京23区で公園面積、子供の数ともに1位という面も持つ。すでに「子供に住みやすいまち」として評価されているが、羽根田の銅メダルで“カヌーのまち”としての称号が加わり、東京五輪へ向けて一層発展していきそうだ。

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2016年8月11日のニュース