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【中村真衣の目】星奈津美 重圧、病気乗り越え…4年前より輝く銅メダル

女子200メートルバタフライ決勝で銅メダルを獲得し、メダルを手に笑顔の星

 女子200メートルバタフライの星選手にとっては、4年間のいろいろな思いを乗り越えて、4年前とは重みが違う2大会連続の銅メダルだったと思います。さらに言えば、昨年の世界選手権の金メダルよりも重い銅メダルだったのではないでしょうか。

 五輪には魔物がすんでいると言います。初出場の五輪には、経験のない緊張があります。それとは別に、前回大会のメダリストとして迎える五輪にも、期待に応えないと…という魔物がいます。わたしは、シドニー五輪で銀メダルを獲った翌年の、福岡での世界水泳で魔物を感じました。

 シドニーでメダルを獲った田島寧子さん、中尾美樹さん、そして私は、2001年の福岡世界水泳出場の内定を頂きました。しかし、田島さん、中尾さんの2人はシドニー五輪を最後に引退。結果を求められるのはわたし1人でした。

 メダルを獲って当たり前という雰囲気があるなか、中村礼子さん、伊藤華英さん、寺川綾さんという若手選手が出てきた時期でした。メダルという結果にこだわり過ぎて重圧に押しつぶされ、6位という結果に終わりました。

 本当は、魔物なんていない。

 「魔物」は自分自身がつくり出すものだと思います。星選手は、ロンドン五輪のメダリストと前年の世界選手権女王という重圧に加え、長谷川選手という若手の成長にも、怖さを感じていたはずです。今大会の100メートルではベストで泳げたものの、得意の200メートルの予選、準決勝は、納得できるレースではなかったと思います。

 でも、この日の決勝では、吹っ切れた泳ぎを見せました。本来は後半型の星選手が、前半から積極的なレースをしました。悩み、苦しんだ末に、重圧、恐怖を乗り越え、自分を信じ、今ある全ての力を出し切るという境地に達したのだと思う。全てを乗り越えたからこそ、この銅メダルには重みがあると思うのです。

 重圧と恐怖、病気をも乗り越えた星選手の4年間に敬意を表します。本当におめでとう、なっちゃん。 (2000年シドニー五輪女子100メートル背泳ぎ銀メダル)

[ 2016年8月11日 14:30 ]

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