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羽根田と励まし合い競技生活 障がいを負った高校の同級生「号泣」

[ 2016年8月11日 05:30 ]

リオデジャネイロ五輪カヌー・スラローム 

(8月9日)
 羽根田卓也は、事故で重い障がいを負いリハビリを続ける高校の同級生、中西拓馬さん(28)と励まし合い競技生活を送ってきた。

 愛知県豊田市の杜若高で、中西さんは野球部キャプテンの4番打者だった。3年間同じクラスの羽根田とは、競技が違ってもお互いを尊敬し、自宅に泊まりに行くほど仲良くなった。

 羽根田がカヌーの技術を磨くためスロバキアに渡り、初の五輪出場を控えた2008年5月、中西さんは友人の車から誤って転落。脳に障がいを負い、昏睡(こんすい)状態が数カ月続いた。左目は失明し、体はほとんど動かず、最初は寝たきり状態だった中西さん。車椅子で生活できるほどに回復し、12年のロンドン五輪は応援に駆け付けた。

 羽根田は地元に帰ると、必ず見舞いに訪れる。今は、ゆっくりだが伝い歩きができるようになり、目標はパラリンピック出場だ。「ここまで良くなったのは、羽根田君のおかげ」と中西さんの父一豊さん(53)は感謝する。中西さんは「号泣した。メダルを持ってきてくれるのが楽しみ」と喜んだ。

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2016年8月11日のニュース