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報道陣バス「襲撃」窓ガラス割れ2人ケガ…投石が原因か

[ 2016年8月11日 05:30 ]

窓ガラスが割られたリオ五輪の報道関係者バス=9日、リオデジャネイロ(AP)

 リオ五輪の熱戦が続いているブラジル・リオデジャネイロで9日夜、報道関係者を乗せたバスの窓が突然割れ、ガラスの破片で報道陣2人が腕に裂傷などを負った。日本人が被害に遭ったとの情報はない。ロイター通信は目撃した元米軍関係者の話として、銃弾が撃ち込まれたとの見方を伝えた。また、大会組織委員会当局者は10日、警察のこれまでの捜査の結果として、投石が原因だったと述べた。警察によると、運転手も投石だったと話しているという。

 いずれにしても五輪のバスが何者かの標的になったのは事実。地元メディアによると、負傷したのはベラルーシ人とトルコ人。ベラルーシ人のジャーナリストは「銃撃か投石かは分からない」と話し、「今後どうやって五輪を取材していけばいいのか」と困惑した。

 バスケットボール雑誌で働いているという元米軍関係者は「銃声が聞こえた」と証言。バスの乗客らは「銃弾2発がバスに当たったように聞こえた」と話しているという。一方でバスの運転手は「先週も投石を受けて車体がへこんだ」としており、地元警察は確認を急いでいる。

 バスは9日夜、リオデジャネイロ市北西部デオドロ地区の会場を出発。午後7時半ごろ、メイン会場の五輪公園やメディアセンターがある市西部バーラ地区で被害を受けた。ポンという音とともにガラスが割れ、乗っていた記者らが一斉に床に伏せた。バスは警察車両の近くに停車し、警察官が調べた後、再び目的地へ向かった。デオドロ地区では9日、ベラルーシや日本が出場したバスケットボールの試合などが行われており、取材を終えた日本の報道陣が乗車し、被害に遭っていた可能性もある。

 バスが襲われたバーラ地区は、かつて極めて治安が悪いことで知られ、ファベーラ(スラム街)に生きる人々と暴力を描いた映画「シティ・オブ・ゴッド」のモデルとなった地区に隣接。治安の問題が懸念されているリオ五輪では、6日にデオドロ地区の馬術センターで、報道陣用のテントに銃弾1発が飛び込んだばかり。盗難や暴行も報告されており、各国の関係者に不安が広がっている。

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2016年8月11日のニュース