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竹下快挙4位入賞!御岳渓谷トレで練磨

[ 2008年8月16日 06:00 ]

女子カヤックシングルで、4位になった竹下百合子の準決勝のレース

 【北京五輪・カヌー】スラロームの女子カヤックシングル決勝を行い、竹下百合子(19=早大)が日本勢過去最高の4位入賞を果たした。日本勢の入賞は84年ロサンゼルス大会のカナディアンシングル五百メートルで6位に入った井上清登以来2人目で、女子の入賞は初めて。東京・青梅市の御岳渓谷でトレーニングを積んできた19歳の早大生が、歴史に残る快挙やってのけた。

 あと1人を残して3位。最終競技者のカリスカ(スロバキア)がちょっとでもミスをすれば銅メダルだったが、アテネ大会の覇者は完ぺきなパドルさばきで逆転優勝。その瞬間、メダルの夢は消えたが、日本女子として初めて4位入賞を果たした竹下は「信じられない。本当にうれしい」と、涙をぬぐった。
 2日前の予選では7回もゲートに接触した。だが「ミスに気を付けた」というこの日は安定したこぎで正確にラインを読み「自分らしいこぎができて楽しかった」と納得のレース運びだった。
 釣り好きの父・浩太さん(53)に連れられ、8歳でカヌーを始めた。週末に御岳渓谷で家族と一緒に楽しむうちに、競技としてのカヌーにものめり込むようになったが、日本には人工のコースは1カ所もなく、自然の河川で練習をするだけでは強くなれない。そんな時、01年に東京・北区の国立スポーツ科学センター(JISS)にカヌー専用の実験場ができた。2つの回流水槽と1つの静止水槽から構成される施設は世界でもただ1つで、竹下は週2回通って急流に対する対応力を磨いた。この日はJISSのスタッフが、観客席からビデオで撮影。ライン取りに修正を加えて快挙につなげた。
 新しい歴史をつくった19歳は「ここまで来られたのもみんなが支えてくれたおかげ。でも、やっぱり悔しい。次のロンドン五輪ではメダルを狙います」と言い切った。

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2008年8月16日のニュース