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奥村 日本人未踏!二百自由形で決勝進出

[ 2008年8月12日 06:00 ]

6位の成績で決勝進出を決めた奥村幸大

 【北京五輪・競泳】北島効果で日本競泳陣が勢いに乗った。男子二百メートル自由形準決勝では奥村幸大(25=イトマンSS)が1分46秒44の日本新記録で全体の6位となり、自由形短距離の日本選手として52年ぶり、二百メートルでは初の決勝進出。同百メートル背泳ぎでは53秒69の日本新を出した宮下純一(24=ホリプロ)、女子百メートル背泳ぎは中村礼子(26=東京SC)と伊藤華英(23=セントラルスポーツ)、同百メートル平泳ぎは北川麻美(20=スウィン大宮)が決勝に進出した。

 世界との差がもっとも大きい種目と言われた男子自由形短距離で、奥村が五輪のファイナリストに名を連ねた。登場したのは準決勝2組の6コース。隣の5コースには、今大会で史上初の8冠を狙う“怪物”マイケル・フェルプス(米国)がいたが、「いいチャンス。どれだけ挑戦できるか」と気後れせずに挑んだ。10日の予選で出した1分46秒89の日本記録をさらに更新する1分46秒44をマーク。この組5位、全体では6位で、きょう12日の決勝に進出した。
 男子の自由形短距離で五輪の決勝に進出したのは、1956年メルボルン大会の百メートル自由形で7位に入った谷以来。二百メートル自由形では初の決勝進出となった。日本競泳史上に残る泳ぎで世界のトップ8人に残り、「焦らなかったし、いい泳ぎができた。自由形短距離で決勝に残るのは光栄なこと」と笑顔を見せた。
 21歳で出場したアテネ五輪では、男子四百メートルメドレーリレーの一員として日本の銅メダル獲得に貢献。だが、百メートル自由形は予選落ち、二百メートルは準決勝敗退と、個人種目で結果を出せなかった。今年4月の日本選手権でも日本水連が定めた派遣標準記録を破れず、当初はリレーメンバーでの北京五輪代表選出だった。それでも、五輪では52年ぶりの決勝進出で、これまで見向きもされなかった自由形短距離をアピールする最高のチャンスを得た。「どれだけ世界に挑戦できるか。これで納得せずに、いい欲を出してやっていきたい」。世界との差を縮める決意を胸に、決勝の舞台に立つ。

 ◆奥村 幸大(おくむら・よしひろ)1983年(昭58)5月9日、大阪・富田林生まれの25歳。4歳から水泳を始め、近大付3年時に二百メートル自由形で初めて日本新記録をマーク。近大法学部へ進み、現在イトマンSS所属。04年アテネ五輪男子四百メートルメドレーリレー銅メダリスト。1メートル83、75キロ。

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