藤井正弘の血統トピック

父カナロア×母父ハーツ 新たな黄金配合の予感?

[ 2020年2月27日 05:30 ]

 22日にオーストラリアのコーフィールド競馬場で行われたG1ブルーダイヤモンドS(2歳、芝1200メートル)をロードカナロア産駒のタガロアが制した。北半球暦で3歳となる17年生のロードカナロア第3世代では、国内外を通じて初めてのGレース勝ち馬である。

 玉石混交と言っていいオーストラリアのG1だが、タガロアが勝ったブルーダイヤモンドSは、世界最高賞金の2歳G1ゴールデンスリッパーSに次ぐ同国2番目(マジックミリオンセール出身馬限定のリステッド競走を含めると3番目)に賞金の高い2歳戦で、牡馬が勝てば即種牡馬入りが約束されるほど格の高いレース。それまでGレース未勝利のタガロアは単勝26倍の人気薄だったが、デビュー3連勝で圧倒的1番人気のハンシアティックに堂々競り勝ったのだから価値がある。まだグレードレースで馬券に絡んでいない父の国産3歳世代の不振を補って余りある快挙だ。

 タガロアは南半球向け時間差交配でロードカナロアの種を宿して輸出された母ヴァシリーサが現地のアローフィールドスタッドで産んだ“持ち出し”馬で、母の父はハーツクライ。同じ配合パターンではすでに京成杯オータムHのトロワゼトワル、新潟2歳Sのケイデンスコール、シンザン記念のヴァルディゼールが出ており、今のところロードカナロア産駒のGレース勝ち馬の3分の1は「母の父ハーツクライ」ということになる。これはニックスと認定しておくべきだろう。(サラブレッド血統センター)

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