93戦未勝利・谷原柚希の覚悟…来年弟デビューに「危機感」

[ 2026年4月30日 05:30 ]

1勝への思いを語った谷原
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 日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は東京本社の鈴木悠貴(35)が担当する。2年目を迎える女性騎手の谷原柚希(19)にこれまでの苦悩、初勝利への思いを聞いた。

 谷原がもがいている。現役6人目のJRA女性ジョッキーとして昨年3月1日にデビューしたが、ここまで93戦して未勝利。「うまく乗れなくて結果が出せないと、次のレースでも強気に乗れない。悪循環が続いてしまっている。技量のなさもありますし、気持ちの弱さが大きな原因です」と振り返った。

 悔しかった。自身では勝ち切れなかった(2着2回)タマモカンパネラが横山武に乗り替わって勝利。「武史さんはしっかりスタートを切っていいポジションで運んで、あれだけのパフォーマンスを引き出した。私はゲートすらうまく出せなかった」。伊藤圭師の計らいもあって、今でもタマモカンパネラの追い切りには谷原が騎乗。「日々、あの馬から多くのことを学べています」。愛馬の背中が教科書となっている。

 納得できる競馬をしたい。その一心で、同じく女性騎手として活躍する小林美に教えを請うた。「美駒さんは行き切る。心の強さがある。それで結果を残す。本当に凄い。私も減量を生かして、どれだけ積極的に乗れるか」。課題は明白。小林美だけではなく、丸田、黛、河原田らの先輩からアドバイスをもらい、自分自身を見つめ直している。

 結果が出始めている。ここ2カ月は馬券内こそないものの、14戦中11戦が人気以上の着順。4月11日の福島7Rでは結果的に9着に終わったが、道中積極的に動いていく競馬でファンを沸かせた。「少なくとも何がしたかったのかが分かるレースにしないと、調教師さんやオーナーさんに申し訳ない」。人より遅いのかもしれない。それでも一歩ずつ、着実に前へと進む。

 周りのサポートがあるから、より頑張れる。「気にかけてくれる先生たちがいる。私のためにオーナーさんに頭を下げてくれる人もたくさんいる。私は恵まれているんです。その人たちに結果で恩返ししないと」。来年には弟の圭大さんがJRA騎手としてデビュー予定。「必ず比べられる存在なので。危機感を持ってやりたい」と1勝へ大きな後押しとなっている。「このままでは終われない」。彼女の言葉に強い覚悟を見た。

 ◇谷原 柚希(たにはら・ゆずき)2007年(平19)2月20日生まれ、千葉県出身の19歳。25年3月、美浦・伊藤圭三厩舎所属でデビュー。JRA通算93戦0勝。1メートル53、46キロ。

 ◇鈴木 悠貴(すずき・ゆうき)1991年(平3)4月17日生まれ、埼玉県出身の35歳。千葉大法経学部卒。14年入社、23年1月から競馬担当。

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