【スプリンターズS】機は熟した!カンチェンジュンガ 笠原助手が語る強さの秘密
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秋G1も迫ります!水曜企画「G1追Q!探Q!」は担当記者が出走馬の陣営に聞きたかった質問をぶつけて本音に迫る。「第59回スプリンターズS」は大阪本社・栗林幸太郎(42)が担当。セントウルSを制したカンチェンジュンガを管理する庄野厩舎で攻め専(調教をメインに担当)を務める笠原太朗助手(37)を徹底取材した。「素顔」「異色キャリア」「成長力」の3テーマから強さの秘密を解明した。
強烈な末脚でセントウルSを制したカンチェンジュンガは、額から鼻先にかけて特徴的な流星の持ち主。昨年の京阪杯から黒いメンコを着用し、競馬場でその素顔を見る機会はなくなったが、レースぶりはインパクト大!!重賞初制覇を飾った2月の阪急杯と前走はともに4角12番手から豪快に差し切った。調教パートナーを務める笠原助手は「昔からどっしりしていた。(6戦で騎乗した)西村淳騎手からは“馬群の中に入れても物おじしない根性があるから、どんどん内に入れてもいいぐらい”と言ってもらった。本当に肝の据わった馬」と性格を口にする。
前走セントウルSはママコチャやトウシンマカオといった一線級スプリンターを直線一気でごぼう抜き。非凡な末脚を繰り出せる要因は、体幹の強さにある。「抜群のバランスの良さ。動き出してからの反応が素晴らしい。馬群の内に入れても平気な機動力を兼ね備えています」と長所を伝える。馬群にも臆せずに突っ込める勝負根性は大舞台で一層、生きてくるはずだ。
調教を担当する笠原助手の経歴も異色だ。大学卒業後にJRAに入会。馬事公苑に所属して馬事普及や少年団への指導をする傍ら、全日本総合馬術大会で優勝。その後は一念発起して幼少期からの夢でもあった美容師に転身。19年JRA競馬学校厩務員課程の年齢制限が撤廃されたことによって競馬への思いが再燃。22年にトレセン入りした。
担当馬の世話をする持ち乗りではない分、庄野厩舎の大多数の馬に稽古をつける。これまでにドゥアイズやスウィープフィート、サブマリーナなど重賞で活躍する馬にもまたがってきた。その中でもカンチェンジュンガは異質の存在だ。「馬の落ち着き、バランス、調整もしやすくて仕上げやすい。そういうのは競走馬としての強みだし、他の馬にはない部分。今まで印象が良くなかった休み明けでも前走は結果を出せたし、成熟した時期を迎えた証明でもある」と力を込めた。
“攻め専”として汗を流す中、いろいろな発見もある。「極力、馬の普段の動きや様子に注目している。そうしているうちに、馬が自然と良くなっていたり、疲れている様子が分かってきた。外から見て気づける感覚が備わってきた」と馬づくりをしていく上で大切な視点が身に付いている。
父ビッグアーサーは同じ5歳時だった16年高松宮記念を勝ち、その秋にはセントウルSも制した。続くスプリンターズSは1番人気に支持されるもスムーズさを欠いて12着。そのリベンジに挑むカンチェンジュンガも、父同様の成長カーブを描いて力をつけてきた。今年初戦だった阪急杯(1着)の1週前追いは坂路で4F49秒5の自己ベストをマーク。「体質が強くなっていくにつれ、攻め馬の負荷をかけられるようになってきた」と目を細める。
ハードな稽古を消化できるようになり、豊富な筋肉が付いてきた。今年に入って馬体重は490キロ台までパワーアップ。デビュー時から比べて20キロ以上も増えている。「馬体は今まで以上にしっかりして、スプリンターらしい筋肉質な体に。当初感じていた能力は想像以上のものだった」と成長力に驚きを隠せない。
強じんな精神面に体の成長が追いつき、非凡な末脚を最大限に生かせるようになった。昨年6月の北九州記念以降、右回りは5戦して全て上がり3F最速をマーク。G1でも極上の末脚をさく裂させて、ライバルに襲いかかる。
◇笠原 太朗(かさはら・たろう)1988年(昭63)2月4日生まれ、京都市出身の37歳。02年菊花賞を観戦した際に勝ち馬ヒシミラクルの走りに心を奪われて競馬に興味を持つ。京都府立洛水高校、同志社大学では馬術部に所属して卒業後JRA職員に。美容師に転身したのち、トレセン入り。22年1月から庄野厩舎に攻め専として所属。23年牝馬三冠皆勤出走のドゥアイズ(桜花賞5着、オークス9着、秋華賞10着)には全般的に携わった。趣味は将棋。
【取材後記】栗東トレセンで稽古をつける笠原助手は世話をする担当馬がいないことで背中は若干寂しげではあったが、攻め専としての仕事に境地を開いて楽しんでいるように映った。志は高く、調教師を目指してホースマンとしてのレベルアップを図っている。さまざまな人生経験がある笠原助手だからこそ、観点も独創的だ。
中でも馬の短所を長所として捉えていたのは印象的だった。「馬のいいところを見るのが大事。臆病ではなく注意力がある、とぼけているのではなく勇気がある、と捉えることができる。長所を馬に“ちゃんといいところだね”と伝えれば自信もつくだろうし、そういう人間でありたい」と揺るぎない信念を持っている。デビュー前から稽古をつけてきたカンチェンジュンガだけに「G1で主役の一角を担うのは感慨深い」と気を引き締めて大舞台へ送り出す。馬名はヒマラヤ山脈に位置しエベレスト、K2に次ぐ世界3位を誇る高峰(標高8586メートル)から命名。日々紡いできた結晶が、最高峰の舞台で異彩を放つ。(栗林 幸太郎)
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