【競輪 松戸記念ミックスゾーンレポート】負けても称賛されるレースができるのが超一流と再認識

[ 2025年8月27日 18:09 ]

<松戸競輪場>最終日2着の後、あまりのキツさに座れず立ってインタビューを受ける郡司浩平
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 現在、競輪の取材はコロナシフトのままで制限が多い。そんな中でもレースだけではない、競輪の人間臭さや、選手の何気ない一面を少しでも伝えたい。そんな思いから本紙記者がミックスゾーンで見た、聞いた、感じた話を「ミックスゾーンレポート」と銘打って自由気ままに書かせてもらう(不定期配信)。

 記念すべき第1回は岩本俊介(41=千葉・94期)が優勝した松戸競輪開設75周年記念「燦燦(さんさん)ダイヤモンド滝澤正光杯」。

 どこまでいっても“いい人”である岩本。取材に対応する言葉使いも「~だったわけですから」、「みなさんのおかげです」。とにかく丁寧で低姿勢。それもあの柔和な笑顔で言われると、人柄に引き込まれる。

 印象的だったのが、優勝した決勝後のインタビュー。あのハイペースで出し切ったレースの後、当然イスが用意されていたが「記者のみなさんが立たれているので、申し訳ないです」と立って取材対応。どこまでいい人なんだ…。表彰式後も可能な限りファンにサイン対応。改めて応援したくなる選手だと強く感じた。

 勝利者インタビューでファンに88回頭を下げたとSNSで話題になった北津留翼もまた同じ。人間味が見えると、より選手を応援したくなり、競輪を好きになる。

 当然、優勝した岩本は凄い。ただ、個人的には今シリーズは主役よりも助演俳優が凄かったと思っている。もちろん、その選手は深谷知広。

 初日特選、二次予選、準決、決勝と4日間果敢に風を斬った。ラインで勝ち上がる、南関で勝ち上がるという“ザッツ競輪”を披露。好みはあるだろうし、偏ったファンの意見かもしれないが、こういう走りこそが競輪に人を呼び込むのではないかと思う。

 準決後に“感動するレースでした”と本人に伝えたが、口数が多いタイプではないので返ってきたのは「何とかです」と一言だけ。多くは語らず、走りで魅せる。カッコ良かった。

 南関に偏るが、エース郡司浩平の話も。最終日、2着で終えた後はキツ過ぎて座れずに立って共同インタビューを受けていた。

 改めて状態を聞かれると「全然、良くなかった」と思わず苦笑いを浮かべたのが印象的だった。そんな状態でも二次予選と最終日に地元の近藤保と和田健太郎の1着に貢献した走りはさすがだった。1着以外でも称賛されるレースができるのが超一流。深谷と郡司が証明した開催でもあったと思う。

 “日本一若い48歳”竹内智彦の400勝達成もあった。近年は腰痛に悩まされて思ったような走りができておらず「チャレンジまで落ちて530勝くらいで辞めたいな」と笑っていた。

 ただ「体が良ければやれる自信はある。これから少し良くなると思う」と強気な言葉も聞けた。納得できなければ同県でも競りにいくガッツあふれる選手。見た目同様にまだまだ老け込むわけにはいかないでしょう!

 名前を売ったのは塩島嵩一朗だろう。練習では川崎で一番強いと聞く。兄弟子の青野将大いわく「1周行っても郡司さんに差されない」というのだからとてつもない。実際、レースでは初日に9秒2で捲ってみせた。松戸で3車並走の上を行って、このタイムはなかなか出せない。本人は今期は「S級1班が目標」というが、もっともっと上を目指せる逸材であるはず。注目していきたい。

《開催ベストレース》
決勝(岩本が深谷の気持ちに応えて松戸記念3V達成)

《MVP》
深谷知広(35=静岡)

《今後注目選手》
塩島嵩一朗(25=神奈川)

(東京本社競輪担当・渡辺 雄人)

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