【フローラS】アドマイヤベル重賞初V!“大目標”のオークス切符獲った

[ 2024年4月22日 05:15 ]

<東京11R フローラS>レースを制したアドマイヤベル(右端)(撮影・郡司 修)
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 オークストライアル「第59回フローラS(G2)」が21日、東京競馬場で行われた。2番人気アドマイヤベルが重賞初制覇、樫の女王へ名乗りを上げた。ラヴァンダを含めた上位2頭が優先出走権を獲得した。京都のG2「第55回マイラーズC」は1番人気のソウルラッシュが差し切りV。2年ぶり2度目の隔年制覇で、重賞3勝目を飾った。

 樫の舞台への道が、ついに開けた。「よっしゃー!」。地下馬道に引き揚げてきた横山武は両手を突き上げガッツポーズ。「ポジションを取りつつ、前に馬を置けたらと思っていた。能力はあると感じていたので、なんとか重賞でもと思っていた。勝てて良かった」。満面の笑みを浮かべながら力を振り絞ったアドマイヤベルを称えた。

 好スタートから道中は中団を追走。向正面で後方から押し上げた馬にかわされるも人馬は動じない。ピタリと折り合って迎えた府中の長い直線。鞍上が馬場の真ん中へ誘導すると残り400メートル過ぎでエンジン全開。上がり3F34秒2の脚で内から伸びたラヴァンダを抑え、外から迫ったカニキュルを振り切った。17年ヴィクトリアMで馬群から突き抜けた姉アドマイヤリードのような鮮やかな末脚。加藤征師は「流れもちょうど良かったと思います」と納得の表情だった。

 デビューは昨夏の新潟芝1800メートル戦。メンバー最速の上がり3F33秒8の脚で制した。ここからはマイル路線ではなくオークス(5月19日、東京)をはっきりと意識する。2戦目は東京芝2000メートルの百日草特別。勝ち馬のアーバンシック(皐月賞4着)に0秒4差の3着に粘った。暮れの阪神JFをパスし、年明けの3戦目は同舞台フリージア賞。ここでも牡馬相手に食らいつき2着。東京2戦でもラスト3F33秒台と末脚に磨きをかけてきた。

 ファンの歓声も人馬の背中を押した。この日は開催全場で、前日にも福島などで落馬事故が発生。鞍上は「(藤岡)康太さんのようなことが起きないように祈るし、僕自身も気を付けていきたい。ファンの方の応援が本当に力になっている」と神妙な面持ちで語った。

 「このまま無事に次に向かえたら」と樫の大舞台を見据えた加藤征師。2Fの距離延長に鞍上も「2400メートルも全然問題ないと思う」と意に介さない。新緑の府中で力を見せたアドマイヤベルが、牝馬クラシック戦線の主役候補に名乗り出た。

 ◆アドマイヤベル 父スワーヴリチャード 母ベルアリュール2(母の父ニューメラス)21年3月1日生まれ 牝3歳 美浦・加藤征厩舎所属 馬主・近藤旬子氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績4戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金6728万8000円 馬名の由来は冠名+母名の一部、美しい(仏)。

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