【ボートレース下関PG1 第10回ヤングダービー】中村日向 勝ってSG出場権もガッポリ

[ 2023年9月15日 10:00 ]

昨年大会は準優1着で優出した中村日向

 ニューヒーロー誕生の瞬間は妙に胸が躍る。自分のことではないのに湧き上がる高揚感。舟券収支を忘れて幸せを感じる。中村日向こそ今年のニューヒーロー。V候補に挙がる24歳が真のヒーローに挑戦する。

 2018年5月にデビューした中村は優勝未経験のまま23年を迎えた。今年こそと誓った新年。歴史は動いた。1月の児島スポニチ杯がその時。初の優勝戦1号艇をモノにしたのだ。

 「師匠の秋山広一さんから、コツコツやっていたら結果は出ると言われて、それに従っていました」

 真冬に咲いた中村の花は一気に満開を迎える。アドレナリンを体内に残したまま挑んだG1鳴門四国地区選手権。一瞬でG1覇者にまで上り詰めたのだ。初優勝まで時間を要したのがウソみたい。その間に地力をじっくり蓄積し、SG平和島クラシック出場権まで持ち帰った。で、そのSG。壁は想像以上に分厚かった。

 「完全に雰囲気にのまれて、自分のスタート、走りができませんでした。記念では足りないものが多すぎて自信ないです。しっかりした裏付けが欲しいです」

 コテンパンの初SGだった。1走目がFで最終走が転覆失格。事故のサンドイッチ状態だった。しかも“具材”は6、4、4、5、6着と、すがすがしいまでの低空飛行。ただ、地面をはいつくばって見た景色から得るものは大きかった。

 「仕上がりが良ければ戦えそうだなとも思ったんです。この舞台でまた走りたいって思いましたね。そのためにもSGの権利はしっかりとっていきたいです」

 昨年のヤングダービーは2号艇で優出して5着だった。今年はさらに上の結果が欲しい。優勝してSG出場権、これが目標になる。

 「若手のトップを決める大会だし優勝したいです。末永和也と、グランプリシリーズに行こうって話しているんですよ。狙える賞金もあるんで、その意味でも、しっかり準備して活躍したい。下関は調整が合うし、いいイメージですよ」

 これまた今年がG1初Vの年だった同学年の末永と切磋琢磨している。ヤングダービーの中のヤング世代。彼らが躍動すれば下関の夜はヒートアップする。ニューヒーローがさらに進化する瞬間が楽しみだ。

 ◇中村 日向(なかむら・ひゅうが)1998年(平10)11月8日生まれ、香川県出身の24歳。2018年5月に122期生としてまるがめでデビュー。翌年12月、まるがめで初勝利&初優出。今年2月の児島で初優勝。通算4V。2022、2023年のトップルーキー。1メートル65、血液型O。

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