NHKからラジオNIKKEIに転職した三浦拓実アナ「競馬の面白さ、楽しさを伝えたい」

[ 2022年11月9日 10:00 ]

阪神競馬場の放送席で実況する三浦拓実アナウンサー
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 競馬を楽しむ上で欠かせないのが実況。JRAの競馬場内やグリーンチャンネルで流れるレース実況を担当するラジオNIKKEIのアナウンサーに、3月からニューフェースが加わったのをご存じだろうか?

 三浦拓実アナ、48歳。昨年まで務めていた前職のNHKでも競馬中継を担当したベテランアナウンサーだ。ディープインパクトが出走した06年凱旋門賞の実況も担当。「入社10年目の時でしたね。出張に行ってくれって上司から言われた時はびっくりしましたし、まさか自分がね。それこそダービーを実況するより、ずっと前でしたから。プレッシャーはありました」。解説担当の岡部幸雄元ジョッキーの隣で“英雄”の走りを全国のファンに伝えた。
 三浦アナが競馬に興味を持ったのは高校生の時。実況に魅力を感じたのはヤエノムテキが制した90年天皇賞・秋だった。

 「当社の大先輩である白川(次郎)アナウンサーの実況を聞いて競馬の放送に興味を持った。伝える面白さに気づかされましたね。30年以上も前のレースですが、今でも凄く印象に残っています」

 NHKでは競馬だけじゃなく、プロ野球などスポーツアナウンサーとしても活躍。退職する前の数年は管理職として労務、人事、育成にも携わった。テレビ業界で輝かしいキャリアを積んできたが、転職を決意した理由は何だったのか?「サラリーマンとしても後半に差しかかり、1年ぐらいは考えましたね。自分が放送に携わる人間として伝えたいことを伝えられる環境に身を置いてみてはどうかなと」。コロナ下でも中央競馬は中止することなく開催。競馬を支える関係者の姿勢にも背中を押された。

 「スポーツが中止に追い込まれた中、競馬を続けようと関係者の方々は努力されていた。そんな中、自分は何もできていないという、もどかしさもありました。自分が経験して身につけたスキルを生かし、競馬の面白さ、楽しさをもっと多くの人に知ってもらえれば」

 現在は大阪支社に勤務。妻と娘、息子を札幌に残し、単身赴任の生活が続く。「家族にもわがままを聞いてもらい、育ててもらったNHKにも感謝。やりたい仕事をやらせてもらえて幸せだと感じます」と新天地でルーキーとして奮闘する。
 テレビからラジオの媒体に移っても、事実を正確に伝えることの大切さは変わらない。「実況は結果はもちろん、レースの過程も正確に伝えないといけない。あとは盛り上げるのではなく、盛り上がるように。僕が何かを言って皆さんを盛り上げるのはおこがましいと思う。あくまでレースが主役、馬が主役ですからね。アシストじゃないけど、レースとファンをつなぐことができれば」と語った。

 自分が実況するレースの馬券は買わないという三浦アナ。「私情が入るとかはありませんがNHKの時から決めています。でも馬券は本当に下手です」と苦笑い。週末、行われるエリザベス女王杯の注目馬を聞くと「デアリングタクトです。3冠牝馬の復活に期待したいですね」。現時点でG1での実況は決まっていないが、いつか三浦アナの正確なG1実況を聞いてみたい。

 ◇三浦 拓実(みうら・たくみ)1974年(昭49)3月4日生まれ、北海道札幌市出身の48歳。横浜国立大学卒業後、97年にNHK入局。神戸や広島、札幌放送局などでニュース番組のキャスターやプロ野球などのスポーツアナウンサーとして活躍。NHK総合テレビの競馬中継ではディープインパクトが出走した06年凱旋門賞や、マカヒキが制した16年日本ダービーの実況を担当。今年1月にラジオNIKKEIに転職、3月6日に看板番組「中央競馬実況中継」で実況アナとしてデビューした。趣味は街歩き。

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