【天皇賞・秋】カラテ 勝って香港でVSカンフーへ!珍名馬でおなじみ小田切光オーナー「前につけて」

[ 2022年10月26日 05:30 ]

G1ウイーク「時の人」

カラテの写真を手にポーズを決める馬主・小田切光氏(撮影・坂田 高浩)
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 秋のG1企画「時の人」。天皇賞・秋はカラテを所有する小田切光オーナー(49)にスポットを当てる。父はオレハマッテルゼ、モグモグパクパク、モチなど珍名馬でファンからも親しまれる有一氏。父子2代で珍名を付けることへのこだわり、カラテと挑む大舞台への意気込みを聞いた。 

 ――父・小田切有一氏に続いて親子2代で馬主になろうと思ったきっかけは?
 「06年にオレハマッテルゼで高松宮記念を勝った時、音無先生(調教師)と父が本当にうれしそうに握手していて。音無先生がジョッキーとして初めて勝ったのが父が所有していたノアノハコブネ(85年オークス)、そこから長い時を経て今度は音無厩舎で初めてのG1制覇。両方とも父の馬で、そのストーリーを目の当たりにして何かもの凄くうらやましかったんですよね。競馬の競走だけじゃないロマンを感じた瞬間でした。それで僕も馬主をやってみたいなと思いました」

 ――09年7月に馬主免許を取得。珍名にこだわるのも父譲り?
 「父もファンあっての競馬だと考え、面白い名前をファンのために付けていました。応援してくれたファンが自分の馬だと思って応援してくれる。そこで自分がメディアに出たら冷めちゃうから、露出は極力控えていました。なるべく、父を継承して面白い名前を付けたい思いもありますが、同じことをやっても仕方ないので僕は僕のやり方で意味のある名前になればと思っています。父からはいつも面白くない名前だなと言われていますが(笑い)」

 ――カラテの兄はデカ、姉はアッチムイテホイ。カラテと名付けた由来は?
 「きょうだいで名前の関連性は全くないです。逆に一緒にしないようにしてますね。僕は繁殖牝馬を持っていて自家生産していますが、馬体が真っ黒で格好いい馬だなと。カラテは海外に行った時に日本の馬だとすぐ分かるように、日本の代表として走れるといいなと思って名付けました」

 ――以前の勝負服はピンクを基調としたカラーだったが、黄色地に赤星デザインに変更。
 「馬主のDr.コパさんが銀座で経営されているお店をお手伝いしていまして。元々、父が仲良しで僕も10年以上のお付き合いをさせてもらっています。東京の父のような存在で可愛がっていただいていて。そのお店で知り合った岡浩二さん(アカイイトなど所有)も僕にとっては師匠です。勝負服をコパさんと同じ色にしたら走るようになって。コパさんからは“運気を吸い取らないで”と言われています(笑い)」 

 ――カラテは21年東京新聞杯で重賞初制覇を飾り、安田記念(13着)にも挑戦した。
 「オレハマッテルゼは高松宮記念に続いて京王杯SCも勝ち、06年の安田記念は1番人気だったんですよ。そこで10着に負けていたので、これは敵討ちできるかなと思ったらブービーでしたね。でも自分がどうっていうより、応援してくれる人のために何とか結果を出してほしいなという気持ちでいっぱいでした」

 ――今年のカラテは中山記念2着、新潟記念1着と中距離路線で活躍。天皇賞・秋へ参戦を決めた経緯は?
 「中山記念のレースぶりを見て、ズブくなって長いところの馬に変わっているなと。秋は天皇賞に行きたいと思い新潟記念でまず賞金加算したいと辻野先生にお願いしました。勝つことができて、うれしいよりホッとした感じでしたね」

 ――天皇賞・秋への意気込みを。
 「中山記念は逃げ切ったパンサラッサをつかまえられませんでしたが今度は2000メートルになりますから。カラテ自身ももうちょっと前につけられるだろうし楽しみですね。ファンの方々から“いつも勇気をもらっています”とか“本当カラテくんがいるから生きてます”と言ってもらえる。応援してくれる方々のために勝ちたいですね」

 ――馬主としての夢、カラテの今後について?
 「自分ができることで周りの人が少しでも笑顔になってくれたらいい。それが僕の夢。カラテは12月の香港(国際競走)にも登録してありますし、香港カップに挑戦したい気持ちはあります。香港に行ければカンフー対カラテの戦いになりますからね(笑い)」

 《ツイッターで馬名一般募集》小田切オーナーは自身のツイッターで所有馬の情報を配信したり、プレゼント企画も実施。9月にデビューしたイツモハラペコ(牡2=畑端)の馬名はツイッターで募集して決まった。「皆さんが応募してきた中から僕が4頭選んで、その中からアンケートで選んでもらい決まりました。ファンの方たちにも楽しんでいただけますし、来年の2歳馬でもまたやろうかなと思います」と話した。

 ◇小田切 光(おだぎり・ひかる)1973年(昭48)8月10日生まれ、福岡県出身の49歳。東福岡高校を卒業後に上京し、元チェッカーズのドラム・徳永善也さんとバンド「Little Bach」を結成(ボーカル担当)。現在は株式会社キャピタルグラフの代表取締役。09年7月に馬主免許取得、JRA重賞はカラテ(21年東京新聞杯、22年新潟記念)の2勝。日本馬主協会連合会理事(総務委員)、九州馬主協会常務理事(国際交流委員会委員長、ファンサービスなど)。ハートリボン協会理事も務め「いじめをなくし子どもたちの笑顔を守る」活動を続けている。

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2022年10月26日のニュース