【フローラS】エリカヴィータ ド根性V!樫切符、挟まれてもひるまず 牝馬の国枝また1頭

[ 2022年4月25日 05:00 ]

<東京11R・フローラS>鮮やかに差し切って勝ち、重賞初制覇を飾ったエリカヴィータ=右(撮影・郡司 修)
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 東京競馬のG2「第57回フローラS」は24日行われ、エリカヴィータが差し切って重賞初勝利。キングカメハメハ産駒のラストクロップから、楽しみな1頭が誕生した。2着パーソナルハイとともにオークス(5月22日、東京)への優先出走権を手にした。

 これが「牝馬の国枝」の底力。1勝馬エリカヴィータが、ド根性差しで樫の出走権利をもぎ取った。好スタートを決め、インの4番手を確保。初コンビの田辺は「マイルを使ってきた馬。ゲートが決まれば好位を取りたいと思っていた。国枝先生と打ち合わせた通りのポジションが取れた」と満足顔。「内枠(2番)だったし、前が止まらない馬場。ある程度の位置で行こうと話した。スタートも良かったね」とは国枝師。4角までは作戦通り。理想的な運びで直線を迎えた。

 だが、いざ追い出すタイミングで想定外の状況に。「外に出すつもりが押し込められた」。国枝師がそう振り返ったように、外を先行するシンシアウィッシュと、最内を突いたマイシンフォニーに挟まれる。両サイドからプレッシャーを受けながらも、ひるまず前へ。残り100メートルで振り切ると、逃げ切り態勢だったパーソナルハイを目標にもうひと伸び。3/4馬身差でねじ伏せた。「狭いところをガッツのある走りで抜け出してくれた」。田辺は根性の走りを称賛した。

 次走はもちろんオークスへ。阪神JFを制し、桜花賞でも4着に健闘したサークルオブライフとの2頭出しで臨む。国枝師も田辺も「現状では距離があった方がいいタイプ。400メートル延びても大丈夫」と口をそろえる。中山の前走こそ出遅れと4角の不利が重なって大敗したが、東京はこれで新馬Vと合わせて2戦2勝。夢は膨らむ。師は「田辺には“次もお願いします”と言われた。うまく乗ってくれたから、オーナーに相談してみる」とコンビ継続に前向きな姿勢だ。

 国枝厩舎は昨年の秋華賞を勝ったアカイトリノムスメが骨折で戦線を離脱したばかり。先輩G1馬の無念を晴らすように、雨の府中に輝きを放った新星ヴィータ。サークルと精鋭2騎でアパパネ、アーモンドアイに続くオークス3勝目、そして12度目の牝馬G1制覇に挑む。

 ◆エリカヴィータ 父キングカメハメハ 母マルシアーノ(母の父フジキセキ)19年2月3日生まれ 牝3歳 美浦・国枝厩舎所属 馬主・三木正浩氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績3戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金6005万円 馬名の由来は冠名+命(イタリア語)。

 【フローラSアラカルト】

 ☆騎手&調教師 田辺は12回目の騎乗で初勝利。JRA重賞勝利は弥生賞ディープインパクト記念(アスクビクターモア)以来で今年3勝目、通算41勝目。国枝師は延べ2頭の出走で初勝利。JRA重賞は21年阪神JF(サークルオブライフ)以来で通算61勝目。17年から6年連続のJRA重賞勝利となった。

 ☆種牡馬 キングカメハメハ産駒は16年チェッキーノ以来2勝目。JRA重賞勝利はフラワーC(スタニングローズ)以来で今年3勝目、通算128勝目。

 ☆最少キャリア キャリア3戦目での勝利は14年サングレアル以来2頭目。

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2022年4月25日のニュース