【皐月賞】過去10年5勝、共同通信杯直行組のダノンベルーガ信頼

[ 2022年4月12日 05:30 ]

データが本命に推すダノンベルーガ
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 過去10年の傾向から勝ち馬に迫る「G1データMAX」。今週は牡馬クラシック1冠目の皐月賞にズームイン。近年は路線の多様化で戦力比較が難しい半面、シンプルに“強い馬が勝つ”という傾向もはっきり。実績を中心に分析した結果、導き出されたのは?東の名門厩舎が送り込む無敗のあの馬だ。

 (1)ローテ 注目は何といっても共同通信杯からの直行組。過去10年で5勝と他の組を圧倒。最有力ステップと言っていいだろう。トライアルではスプリングS組が2勝、2着1回と奮闘。ただ、出走頭数も多く勝率や連対率で比較すると、かなり分が悪い。かつては王道だった弥生賞(20年からディープインパクト記念の副称)組は白星なし。2着は5回で馬券対象としては外せないが、当欄の「勝ち馬を探る」コンセプトには反する。ホープフルSからの直行組は2戦2勝。ただし、19年Vサートゥルナーリア、20年Vコントレイルはいずれも無敗での戴冠だった。

 (2)前走着順 優勝馬10頭中、実に8頭が前走も1着。残る2頭も前走で2着は確保していた。対象を2着馬にも広げ、連対馬20頭を分析しても18頭が前走で連対を確保。つまり、前走で3着以下に負けていた馬が巻き返すのは困難という傾向。かつては試走である前哨戦で敗れ、本番で巻き返すというケースも多かったが、近年は異なる路線からの“ぶっつけ本番”が主流。各路線の上位馬が激突する構図に、下位馬が食い込むのは難しい。この潮流は牡牝共通。桜花賞は2月のクイーンCから直行したスターズオンアースがV。5年連続で非トライアル組の優勝となった。

 (3)実績 まずは重賞実績。優勝馬10頭中、8頭が芝1800メートル以上の重賞ウイナー。残る2頭も同重賞で2着の実績があった。これは必須条件。3戦無敗で若葉Sを制して臨むデシエルトは重賞未経験がマイナス材料。

 距離に関しては5頭が芝2000メートルでV経験。12年ゴールドシップは未勝利も、G32着の実績があった。一方、残る4頭は距離未経験。キャリアの浅い3歳馬同士だけに、1800メートルまで経験があれば、大きな減点材料ではない。また、5頭は中山未経験馬。14年イスラボニータ、15年ドゥラメンテは右回り自体が初めてだった。

 優勝馬10頭で出走までに4着以下の敗戦経験があったのは13年ロゴタイプ(函館2歳S、札幌2歳S4着)、17年アルアイン(シンザン記念6着)の2頭だけ。安定感も重要な要素。2桁着順や重賞以外で4着以下がある馬は割り引きが必要になる。キラーアビリティは新馬戦5着、オニャンコポンはホープフルS11着と崩れたのが気掛かり。

 (4)東西比較 過去10年は関東5勝、関西5勝で全くの五分。13~16年まで東が4連勝。17~20年は西が4連勝を飾った。昨年は久々に関東馬エフフォーリアが奪還。流れは東か?ちなみに東西別の通算成績は東【5・2・4・52】に対し、西【5・8・6・91】。2着回数は西の方が上回っているが出走頭数も多く連対率はほぼ互角。勝率で比較すると東が7・9%、西は4・5%。数字上では関東優勢の傾向と言っていい。

 ≪結論≫ データ班のイチ推しはダノンベルーガ。最注目ステップの共同通信杯を完勝。2戦2勝で芝2000メートルでも白星。桜花賞を制して勢いに乗る川田が騎乗と、勝負の流れも後押しムードだ。中山&右回り未経験だが、堀厩舎は同じ条件だったドゥラメンテをVに導いており、厩舎の経験値を素直に信頼したい。

 イクイノックスは勝てば最長間隔&最少キャリアでのV。分析項目はクリアしており、データでは推し量れない異例の臨戦がどう出るかだけ。勝って新たな歴史を刻む可能性も十分にある。近年は白星から遠ざかっている弥生賞組だが、今年の上位馬は見どころあり。そろそろジンクス打破か。注目したい。(データ班)

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2022年4月12日のニュース