劣等生から猛練習ではい上がった遠藤エミ

[ 2022年3月22日 05:30 ]

遠藤エミ 女子初SG制覇

<SG第57回ボートレースクラシック>水神祭を行われる遠藤エミ(左から、前田、遠藤エミ、丸野、守屋)(撮影・中村 達也)
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 【記者の目 元ボートレーサー 梁島幸子記者】記者がボートレーサーとしてデビューしたのは86年11月。当時、男女の技術の差は明確でした。6~8人の女子レーサーが加わる男女混合の一般戦で稼ぐことは難しく、救済レースの意味も兼ねてオール女子戦が行われていました。

 激しい進入の駆け引きに屈し、ターンではスピードの違い、調整面に至っても男子とのレベル差を日々、痛感していました。当時、コース取りから男子選手に真っ向勝負を挑めた女子レーサーは20年に引退した鵜飼菜穂子さんを筆頭に、ほんの一握りだったと記憶しています。
 なぜ、女子レーサーがここまでレベルを上げ、売り上げを伸ばし現在の地位を確立したのか。要因の一つとして考えられるのはトップレーサーから発信されるトレーニング方法や精神道を多くの女子レーサーが積極的に取り入れてきたことではないだろうか。つまり“行動力”のたまものと分析しています。

 遠藤は訓練生時代はどちらかといえば勝率の低い劣等生。デビュー当時も特に目立つことはなかった。地元の記者から練習量は半端ではなかったと聞いています。日々の努力ではい上がり、女子のトップ、そしてボート界の頂点にまでたどり着いた一人の女子レーサー。この歴史的瞬間は決してゴールではなく、女子プロスポーツ全体が新しい時代に突入したのだと捉えている。

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2022年3月22日のニュース