【フラワーC】スタニングローズV バラ一族開花 悲願クラシックへ

[ 2022年3月22日 05:30 ]

<11R フラワーC>差し切って重賞初勝利を挙げた川田騎乗のスタニングローズ(右手前、撮影・西川祐介)
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 3歳牝馬重賞「第36回フラワーC」が21日、中山競馬場で行われ、好位から抜け出した2番人気スタニングローズが勝利。デビュー7戦目でのうれしい重賞初勝利となった。同馬はキングカメハメハの最終産駒世代。祖母にローズバドを持つ良血が、春のG1戦線を盛り上げそうだ。

 その良血に恥じない走りを終え、スタニングローズは実に落ち着いた様子で引き揚げてきた。デビュー全6戦は牡馬と戦ったが、同期の牝馬が相手なら話は違う。川田は「未勝利戦を勝った時からいずれは重賞にたどりつくことができる馬だと思っていました」と胸を張った。
 スタートは若干の出遅れ。それでも名手が最内枠を利してスーッとポジションを取りに行く。道中は3、4番手のイン。4角付近で鞍上が促すと、無理なく加速していく。直線は早々と粘るニシノラブウインクとの一騎打ちに。1完歩ごとに詰まる差。半馬身突き放したところがゴールだった。川田は「いいスタートは切れなかったけどうまくリカバリーできました。我慢ができていたし、いい形で直線を向くことができました」と振り返った。

 父は高野師が助手時代に所属した松田国英厩舎で一時代を築いたキングカメハメハ。現3歳は19年にこの世を去った名種牡馬が残した最終産駒世代にあたる。高野師は「(キンカメ産駒は)いろいろやらせてもらったけど、この子は良質のキンカメという感じ。1歳の時からいい筋肉をしていたし、父の体形的な遺伝子をうまく受け継いでいる」とポテンシャルを認めた。

 祖母ローズバドは01年オークス、秋華賞2着と牝馬G1で活躍。孫娘の次戦が気になるが、師は「正直に言うと本当の適性はつかみ切れていない。1800メートルは良かったというより、こなした感じ。春にもう一戦走るとは思いますが、全くの未定です」と白紙を強調。馬の状態を見極めながら、桜花賞(4月10日、阪神)、NHKマイルC(5月8日、東京)、オークス(5月22日、東京)全てが視野に入りそうだ。同厩舎のナミュールを筆頭に固まり始めた3歳牝馬戦線。遅れてきた良血のヒロイン候補はどこに向かうのか――。

 《名牝ローズバドが祖母》01年の牝馬2冠で2着、同年のエリザベス女王杯でも2着に好走したローズバドを祖母に持つスタニングローズ。96年オークス4着の曽祖母ロゼカラーから連なり、馬名にローズやロゼなど各国語のバラの名が入ることが多い“薔薇一族”の血筋だ。一族にとって悲願とも言える牝馬クラシック戴冠へ。スタニングローズがフラワーC優勝でその可能性を残した。

 スタニングローズ 父キングカメハメハ 母ローザブランカ(母の父クロフネ)牝3歳 19年1月18日生まれ 栗東・高野厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績7戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞7103万1000円。馬名の由来は「魅力的な薔薇(バラ)」。

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2022年3月22日のニュース